昭和2年(1927年)12月30日、東洋初の“地下鐵道”が日本の上野~淺草間に開業して、今日で九十五年となる。
創業者の早川德次は大學卒業後、後藤新平と出會ったことをきっかけに鐵道で身を立てることを決意、
新橋驛では自ら改札業務に携はるなど、大學出としては異例の現場での下積みを通して最前線の空氣を肌で知り、やがて海外視察で訪れた英國ロンドンでこれからの東京の交通は地下鐵道しかないと痛感、大正15年9月に帰國すると、幾多の困難を自らの“足”と誠意によって乗り越え、九十五年前の今日、ニッポンの近代交通文明に新たな一頁を記す。
やがて地下鐵一号線「銀座線」として完成したこの路線は、いまや東京の心臓部を走る最重要路線であり、開業時の車両1000形をイメージしたと云ふ現行の新車1000系も魅力的であり、都心間の移動に必要不可欠な足として、私もかなり助けられてゐる一人だ。
今日で九十五年、あと五年で百年。
浮世の五年は早い。
百歳の銀座線に乗るのが、いまから樂しみだ。