迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

総優良運転手。

2019-02-14 16:51:01 | 浮世見聞記
裏道を歩いてゐると、見通しの悪い箇所で、向こうから減速もしないで走って来るクルマに、出くわすことがある。

また、信号のない交差点やΤ字路で、ウインカーすら点けずにそのままの速度で曲がって来やうとするクルマに、出くわすこともある。

そしていづれも、慌ててブレーキを踏んでゐる。

あきらかに、向かうからは何も来ないと、勝手に決めつけてゐるのである。

その独り善がりな根性が、私は大嫌ひだ。


なかには、企業のロゴマークを付けたクルマもある。

それだけで、運転者のシゴトへの意識が解らうと云ふものだ。

しょせんは雇用者に金銭で餌付けされているにすぎない月給鳥──そんなモノに、ケガなど負はされてはたまらない。


だから私は、道の死角で物音がしたら、必ずそれが姿を現すまで、立ち止まる。


相手の安全意識や危険意識など、期待してはいけない。



都心の表通りでは、カーチェイス紛ひの運転者たちを見かけることがある。

みんな、

自分が前へ前へと、

出やうとする。



そんなに人の先頭に立ちたいのなら、もっとほかに相応しい機会があるだらうに。

いや、そんな器でないから、かういふ時に我先にと前へ出たがるのだらうか?


無理な追ひこしを繰り返すその運転者を見て、或る人がかう言って笑ふた。

「あれ、トイレが我慢できないんだらうな……」




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