迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

裃人生。

2010-06-16 21:31:37 | 浮世見聞記
日本橋の三越劇場で、劇団俳優座提携公演「大岡越前―卯の花が咲くとき―」を観ました。

南町奉行に着任したばかりの若き日に裁いた一件が、年月を経て寺社奉行への昇進を目前にして再び…、といった内容で、第一幕の若き日の大岡越前守忠相を頼三四郎さんが、第二幕の後年をTVで長年持ち役にしてきた加藤剛さんが演じる、父子競演が売り。

第一幕では娘婿を濡衣の罪によって亡くした老人(加藤剛さん二役)の怒りと新任の町奉行への賭け、第二幕では二十歳の青年に成長した老人の孫(頼三四郎さん二役)の悲哀がドラマのメインで、大岡越前は寧ろ受けに回っています。

しかしながら、緊張した面持ちでお白洲に臨む第一幕、押出しも立派にお白洲へ臨む第二幕、襖が開いた瞬間に大岡越前守忠相が町奉行として歩んできた人生が窺えて、印象的でした。

第二幕の初め、大岡忠相が小石川養生所の医師相手に裁きの難しさを語るセリフのなかで、
「人が人を裁くのは容易ではありません」
とあったのは、おそらく“裁判員制度”を意識したものでもありましょう。

時代劇にしてはやたら背の高い人や体格が良い人がいるのが気になったものの、若手俳優陣の時代劇演技がしっかりとしているのは、心強い限り。

いかにも老舗劇団らしい、観応えのあるいいお芝居でした。


一つ気になったのが、開演前の場内アナウンスで、
「必ずお帽子はお取り下さい」
と言っていたこと。

今のお客って、そんなことまで言われなきゃダメなのかしら?



お話し変わって、地元のホームセンターにいつもの調子でふらりと立ち寄ったところ、中古DVDのワゴンセールをやっていて、かつて感動して三度も映画館へ足を運んだ新海誠監督の連作短編アニメーション映画、「秒速5センチメートル」が\298、定価の10/1で出ているのを見つけたので購入。



もちろんレンタル店からのリサイクル物、でもDVDはビデオテープと違って画質や音質が劣化しませんから安心です。
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