東急線の二子玉川驛改札外の旅行代理店内にて、東急9000系の冩真展を覗く。
昭和末期に東橫線に華々しく登場し、平成年間に東橫線の印象を大いに變へる貢献をし、澁谷驛の地底下前日に完全撤退し、五両編成化されて大井川線に転属し、来年あたりから西武支線に賣却される英雄9000系の、東急社員が撮ったと云ふ冩真が中心の、すでに半ば回顧展のやうな企画。
私がいまの東急線で乗れて嬉しい車輌──1000系と9000系の、その一方が近いうちに見られなくなることは、殘念といふより不快に覺ゆ。
そして、まだ會へる“現在(いま)”と云ふ時間を大事にしやうと、實感させられる。
【二十世紀末に私が“写ルンです”で撮影した東橫線時代の9000系】
さうなると、私が撮った失敗作の冩真一枚一枚も、
貴重な一枚一枚になってくるのである。