迦陵頻伽──ことだまのこゑ

手猿樂師•嵐悳江が見た浮世を気ままに語る。

はぢをしらずやはぢをしれ。

2014-02-28 22:14:34 | 浮世見聞記
国立能楽堂で、金春流の「葵上」を観る。




恋人を奪われたのみならず、衆人のなかで車を壊される恥辱をこうむった女が、病に臥す相手の女の枕許に、生霊となって佇む-

能管が、その高貴な女性の抑えきれない情念を、澄んだ音色のなかに、妖しくほとばしらせる-





しかし、生霊以上に恐ろしいのは、場所柄もわきまえず罵声を発する成年愚族の、その卑人根性かもしれない。
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