雨上がりの黒い土くれの中から、ほら 蕗の薹が一つ 顔をだしたよ。
枯葉ばかりの雑草の中に、 黄色いタンポポが ほら一つ 咲いてるよ。
春一番に芽を出して春いちばんに花を咲かせる、
我が家の優等生 バイモユリ たちだよ。
雨上がりの黒い土くれの中から、ほら 蕗の薹が一つ 顔をだしたよ。
枯葉ばかりの雑草の中に、 黄色いタンポポが ほら一つ 咲いてるよ。
春一番に芽を出して春いちばんに花を咲かせる、
我が家の優等生 バイモユリ たちだよ。
春の海 ひねもす のたりのたりかな
そんな俳句を思いだすような、あたたかな昼さがりです。
木の枝に蜜柑を刺して、小鳥たちの来るのをまちました。
最初に来たのは、ジョウビタキです。
水瓶の縁に止まって、水を飲んだり水浴びしたり、楽しそうに遊んで飛んでいきました。
ヒヨより先に蜜柑に気付いたのはメジロでした。番でやってきて、あたりの様子を暫く覗ってから二羽で蜜柑をつつき始めました。
何処からともなくヒヨがさっと飛んでくると、メジロはあわてて蜜柑をひよに譲りわたします。
満開の蝋梅が、あたり一面にあまい香りを振りまいています。
時が止まったような、のどかな午後、春 う ら ら 。
今年も、春一番乗りはクリスマスローズでした。しかも一株から10輪もの花です。
人間界はまたまた新型コロナ(オミクロン)で大混乱だというのに、なんと泰然とした営みでしょう!
動じることない営みに感動していたら、「大根に異変、大量に廃棄」というテレビのタイトルが目に飛び込んできました。「まさかコロナが大根にまで?」と思って見ていると、例年に比べて出来の良かった大根が、外食需要の低迷で消費が伸びず、大量に廃棄されている、ということでした。
コロナがこんなところにま! 目に見えない微小な生き物たちが、地球を我が物顔に支配する人間に執拗に挑戦している、そんなふうにも想えてきます。
房総半島は、関東地方の南東に突出する半島で、明治時代までは、上総の国(カズサノクニ)下総の国(シモウサノクニ)安房の国(アワノクニ)と呼ばれていました。その太平洋に面した房総半島の大部分が現在の千葉県です。2022年正月の房総半島旅日記です。
面白し雪にならんや冬の雨 芭蕉
その日は、朝からどんよりとした空模様でした。南太平洋から雪雲が迫っているとの予報はありましたが、東京を出る時には小雨が降っている程度で、誰も雪の心配などしていませんでした。車は、首都高から川崎を通って東京湾アクアラインを快適に走ります。海底トンネルを抜けて「海ほたる」に着いたのはお昼過ぎ、海は荒れ模様で視界も悪く、霙まじりの雪も降っていましたが気に留めず、車は木更津へ、ここからが房総半島・千葉県です。今日の目的地は南房総の温泉、鴨川です。
写真はアクアライン・海ほたるパーキング (ウィキペディアより借用)
限りなく降る雪なにをもたらすや 西南三鬼
木更津から南房総に出るには、半島の中心部にあたる丘陵地帯を通ります。標高も高くなっているのでしょう、林道に入ると雪が激しくなり始めました。なだらかな上り下りを繰り返しながら、やっと峠に差し掛かった頃には、あたりは一面の 雪 雪 雪。行く手からも激しく雪が降ってきます。ここを越せばじきに温泉につくはず・・・そう思った時、運転していた大学生の娘が「タイヤを取られて走れない!!」と叫びました。父親が運転を変わりましたが「後ろの車輪が滑って自由が効かない・・危険だ!」と、車を道の端に寄せました。車は雪の中で立ち往生です。街中ではカッコいいはずの「レクサス」も、何の装備もないこの雪の山道では完全に無能です。助けを呼ぼうにも手立てが分かりません。途方に暮れること・・・数十分。やがて、後続していた大型のトラックや、農作業用のトラックや、雪に強そうなタイヤを付けた車が、先を走ってくれると、タイヤの跡に道が出来て、私たちはその跡をそろそろと走って・・・何とか目的地に着くことができました。
初東雲(しののめ)珊瑚の薄紅鮮しき 川口爽郎
苦労して到着した温泉は高温で心地よく快適でした。翌朝は早くから起きて露天風呂で日の出を待ちました。太平洋の東側がかすかに赤らむと、次第に雲が輝き始め、やがて太陽がかすかに顔をのぞかせました。その一瞬のミステリアスな美しさ・・・息をのむほどです。
心地よい温泉は、一時、帰り道のことなど忘れさせてくれましたが、木々には昨日の雪が厚く残っています。昨日の道は夜の冷え込みで凍っているに違いありません。どうやって東京まで帰るかが問題でした。結局、かなりの遠回りになるけれど、館山を通って房総半島の南端「野島﨑灯台」に立ち寄り、海岸寄りの道を帰るのが一番安全ということでになりました。
新春や房総半島ひた走り
朝10時にホテルを出発し、途中で野島埼灯台に立ち寄り昼食を頂いた以外には、只々ひたすら走りに走ったドライブでした。鴨川から大海・和田浦・千倉・野島埼、さらに 布良・館山・南房総・富浦・鋸山・富津・・・、聞いたことのない地名ばかりです。木更津からもと来たアクアラインに入り、東京についたのは(渋滞もあって)4時を過ぎていました。6時間に及ぶドライブでした。
距離とは何なのでしょう? 日常の行動範囲を越えた時私たちは非日常を感じます。距離は非日常の入り口? では非日常を体験するとはどういうことなのでしょう? 考えてしまいました。 時間の中に深く入りこむこと、 それは「横軸の距離と縦軸の時間」の相乗関係?
記録文を書こうと、ふと俳句歳時記を開いたら、江戸の俳人の見た感興も私たちの感興もあまり変わらない気がしました。
ただひた走りに走っただけの房総半島でしたが、非日常の窓から垣間見た房総半島が新たな興味を呼び起こしてくれました。房総の海にそびえる野島埼の白い灯台は、日本で2番目に古い灯台とのこと。160年も同じ場所から同じ海を照らし続けてきた灯台には、長い歴史が綴じこめられているに違いありません。
江戸幕府のお役人が、房総半島沖合を行く外国船を、ここから眺めている光景が目に浮かびます。
新年のブログを書こうとしてパソコンをあけてみたのだけれど、どういうわけか自分のブログが開かない。パスワードを間違えたか、gooIDがおかしいのか、いろいろ試してたのにやっぱりダメ・・・・。
そういえば、去年の暮は、掃除や片づけや身のまわりのことばかりに気を取られていて、ゆっくりブログをかまってやらなかった、そのせいなのか・・・? それとも休んでいた間にブログ管理の規約が変わったのか? とにかく今までのパスワードではブログが開かない。そうなると私のパソコン能力ではどうすることもできない。新年のご挨拶はスマホの「富士山の写真」で間に合わせたが、いざ文章を書こうとすると、やっぱりブログはひらかない。今日はもう4日だというのに・・・。
そんな事情の中
今年は何としても人に頼らず「自分の力で解決しよう」と決めた。メモしてあった過去のIDとパスワードを丹念に入力して試し、入力文字が半角英数になっているかと言われればこれも試し、空白や濁点が入っていないかと言われれば試し・・・、でも、ブログはかんたんには開いてくれない。次に応援を求めたのは「ヘルプ」だ。ヘルプにメールして、ヘルプからは何通かの返事をもらった。それもなぜか役立たない。午前中に始めた挑戦が、お昼になっても解決できないままだ・・・。
突然ブログが開いたのは午後の3時頃。最後の手段にとgooIDをいじりパスワードも変えた、するとブログが魔法のように開くではないか!
2022年1月4日 ブログ
パソコンのパスワードが小半日かけてやっと解けた時、私は、何故か不思議な快感の中にいた。
すると、それまでズルズルと引きずっていた正月来のマイナスイオンがパート晴れたのだ。
そして、今年もいい作品を作ろう! 素敵な仲間たちを大切にしよう! まわりの自然を愛そう! 頑張って生きよう!!
そんな想いが、どかからともこみ湧き上がってきたのだ。
2022年1月4日・庭の蝋梅一輪
ロウバイハツクリモノノヨウナハナダ フクイクトシタカオリヲ アタリイチメンニフリマイテイル
ムシタチヲアツメテイルノカ デモ ダマサレテハイケナイヨ サワッテハイケナイヨ コレハワナカモシレナイ
明けましておめでとうございます
新しい年が実り多い年でありますように。
そして、心穏やかな日常が戻りますように。
日本平山頂日本平ホテルからの富士山
2022年元旦
11月も終わりになりました。12月にバトンタッチをするように、ヤマボウシもヒメシャラもエゴの木も、みんな一斉に裸になりました。そんな中、マユミ〈檀)の木だけが、燃えたつような赤色に輝やいています・・。
、
初秋の頃には若緑色だった実が、冬の気配を感じぱっと赤色に変身する、何という巧みな、何という鮮やかな変身でしょう。日本人の美の本質は、こうした自然の中から育てられた「美意識」のように思えます。
「バーナード・リーチの日本絵日記」を読んでいたら、にこんな文章がありました。
「私がいなかったこの18年の間に日本に起こった事柄について、私は絶えず考えさせられている。善であり、真であり、美であった多くのものが消えうせ、今やその反対のものが存在している。混在は大規模に行われ、変遷は非常な速さで進み、風雅な趣などが珍しくなってしまった。外から見た大都市は醜く喧騒で碑俗だ。
しかし、その内側には、素晴らしくゆかしい古い生活を潜めている。そして、田舎は都市とは比較にならないほど美しい。旅で、信じられぬほど我慢強い畑地と農夫たちに出会い、ひたむきな愛情と苦労に色取られた激しい手仕事に出会い、私は驚嘆する。日本は真の芸術の国だ。それは血液にも時間にも、室内にもある。この感受性、魂を養う五官を通じての感得、味わい、色彩、秘められた魅力、それは長い洗練の歴史を通じて生み出されたものであり、ここでは芸術が生活の一部として適切な位置に存在している。」
これは、リーチが昭和9年の訪日以来19年ぶりに来日し(昭和28年~29年)日本各地を旅した時の日記の一部です。が、何だか現代の日本のようでもあり、考えさせられます。
竜胆が咲きはじめました。
フジバカマが咲いて次がアキチョウジでその次がサフランで次がリンドウ・・、気が付くと何故か秋の花はムラサキ色系ばかりです。
朝起きると庭には枯葉がいっぱいで掃除が大変になりました。いよいよイヤーナ寒い冬ですネ。
日展は、コロナで去年も今年も入選者パーティがありません。仕方なく各自が自由に自分の作品を確認しに行くことになります。コロナ以来の久しぶりの東京、久しぶりの日展です。頑張っていろいろと写真を撮った・・・つもりだったのですが, 何故かデーターにミスがあって写真が添付できません。仕方なし相棒のスマホから送ってもらった、貴重な自分の作品の展示風景です。
思惟するY軸
地下深く下降し 天高く上昇する 1本の軸
軸は丸くなって 伸びあがり やがて
心を宿して たくさんの愛を抱きしめる
昨日は2本だけだったサフランが、今日はみんな揃って一斉に咲いています。
花は一日で萎れてしまいますが、一株に2本の花をつけているものもあります。
それにしても、1gの乾燥サフランを採ろうとしたら、数百本ものサフランが必要でしょうね。
どうやってサフラン栽培やメシベの採集をするのかしら? と思っってウイキペディアをみたら、こんな写真がありました。
何だかとっても優雅な感じがしますね。
早くも11月です。
秋晴れの心地よい朝です。サフランの花が咲きました。美しい薄紫色です。
それにしてもだらんと垂れたメシベの長いこと! どうしてこんなに長いメシベが要るのか、何かの役に立っているのかは知りません。が、このメシベを乾燥させたものがサフランライスの黄色の染料であり香辛料でもあることは知っていました。
で、毎年メシベを採っては乾燥させていました。
写真上が、出来上がった私の乾燥サフランです。下は先ほど摘んできた今年のメシベです。
乾燥サフランは世界一高価な香辛料だと聞いたので調べてみたら、1gが最高1890円でした。
いつになったら1gが取れるのか、サフランライスが炊けるのはいつの日でしょうね。
庭の片隅にセキヤノアキチョジが咲いていました。繊細なガラス細工のような薄紫色の花です。
お昼頃、庭の水瓶にジョウビタキが水を飲みに降りてきました。秋になるとやってくる常連です。
水瓶の中では今年もヒメダカが元気に泳いでいます。世代交代がうまくいっているようです。
フジバカマの花の周りには今日も二頭のアサギマダラが舞っています。
この小さな世界の中で、さまざまな命が、さまざまな姿で、その生を全うしています。
さわやかな秋の空 神空にしろしめす 世は全て事もなし・・・・
秋ふかし隣は何をする人ぞ 芭蕉
ツワブキは冬の花かと思っていたら、ホトトギスを押し分けるようにして、黄色い花をいっぱいに咲かせています。
気温が下がり開放的だった家々の窓が閉じられると、秋の深まりを感じます。そして次に来る冷たい冬を思います。
「秋深し」の言葉からふと芭蕉の句が思い浮かびました。が、私にとっての「秋深し」は展覧会の合否でした。
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昨日は、2021年「日展」の入選者発表でした。一年に一度のこの日は朝から緊張します。
今年も何とか無事に入選でき、今、やっとほっとした気分になったところです。
8月のブログ「滅びゆく西インドの階段井戸」で書いたような経緯で生まれた作品なのですが、出品したのは、
「The Vanising・滅びゆく階段井戸」ではなく2作目の作品でした。
題名は「思惟するY軸」。おかしな題名ですが、中心のY軸に籠められているのは、この年まで生きて来た自分自身の
人生に対する愛と郷愁・心象風景のようなものです。
日展の会期は2021年10月29日~11月21日・会場は国立新美術館・
まだまだコロナが心配ですが、おついでがありましたらどうぞお立ち寄りください。
毎日蝶ですみません。
蝶を追いかけること3時間あまり,とても美しい蝶の動画が撮れました。
ブログに載せようとしましたが、私の技量では無理のようです。残念! で、同じような静止画です。
でも、このアサギマダラ、素晴らしくハンサムだと思いませんか?
青い空に爽やかな秋の風、これこそアサギマダラ日和です。「今日はやってくるに違いない」そう確信して空を見ると、大型の美しいアサギマダラが優雅に飛翔しながら、フジバカマの花に降りてきました。
今年は春からフジバカマの生長に気を使い、水やりをし、葉の縮れには薬を撒いて、花の咲くのを待ちました。例年なら、台風の去った後の秋晴れの朝には必ずやってくるアサギマダラです。今年は美しい花が咲いたのに蝶が来ません。何故だろう・・・、と思っていた矢先でした。
青い空舞う秋の蝶浅黄色