陶芸工房 朝

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秋の宝石-2 (イワシャジン)

2018年10月19日 | 日記・エッセイ・コラム

秋の宝石ー2   イワシャジン 

 

イワシャジンを見ると、私は、なぜか高貴でうつくしい女人を想い浮かべるのです。

そう思い込むまでにはいくつかの理由があって、

その第一が、源氏物語に登場する「むらさきの君」です。

やんちゃで利発な少女「若むらさき」が、知的で美しい女性「むらさきの君」成長していく、

その象徴を「むらさき色」に感じていました。

*

もう一つ、こちらは万葉集、有名な  額田王と大海人皇子 の相聞歌、 

 あかねさす  むらさき野いき  標野ゆき   野守はみずや   君が袖ふる 

むらさきの   にほえる妹を 憎くあらば  人妻ゆえに   恋ひめやも

この歌の壮大なシチュエーションを、

紫色の花の咲く野に馬を走らせる大海人皇子が、走りながら白い衣の袖をひらりと振って

額田王に合図を送っている、とロマンチックに想像していたのです。

あかねさす紫野も    色(赤むらさき色)   の花の咲く野と思っていたのです。

ところが、後になって「紫草」の花は白い花だと知ってがっかり、困惑したのでした。

 

貴人の秘めたる恋の色は、やっぱり「むらさき」でなけらばいけません。

 

 

亡き母の   晴れの日の色 イワシャジン