陶芸工房 朝

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アサギマダラ日和

2023年11月06日 | 日記・エッセイ・コラム

今年も「日展」の季節になりました。日展の入選通知は速達郵便で送られてきます。その通知を受け取るまでの数日間は何とも気持ちが落ち着か

ず、空を仰いでは幸運を祈るばかりです。

 

 晴れた青い空・・・満開を迎えたフジバカマの花と香り・・・

    空からヒラヒラと舞い降りてくる数頭のアサギマダラ・・・

そんな秋の日を「アサギマダラ日和」と名付けて、私は「日展入選通知」と重ねていました。アサギマダラが入選通知を運んでくる・・・と。

ところが、今年はどうした訳かフジバカマが満開になってもアサギマダラは飛んでこないのです。もしかしたら「私の所にだけ来ないのかもしれない・・」ふと不安になってフジバカマの植えられている農園まで車を走らせてみましたが、ここにもアサギマダラの姿はありませんでした。これは多分異常な気象(猛暑)のせいなのだ、と胸をなでおろしたのでしたが、結局、我が家の庭にアサギマダラは飛来しませんでした。でも、入選通知の方はちゃんと届きました。

 

2023年・改組第10回日展は11月3日に始まりました。館内はこの日のために各地から集まった人々でいっぱいです。

今年は春から体調を崩し不調と酷暑と戦いながらの作陶でした。テーマはストラヴィンスキーの「春の祭典」と決めていたのですが、なかなか思うに任せず表現不足の「春の祭典」になりました。

 

澄み渡る秋の空の下、国立新美術館のテラスを優しい風が通り過ぎていきます。なにげないおしゃべりをしながら、この解放されたひと時が何物にも勝る喜びなのだと、ふと気付きます。そして「来年もまたがんばろー」と思うのです。