地元の方が車を出してインゼル・ホンブロイヒ美術館に案内してくれた。
ホンブロイヒ美術館は、デュッセルドルフ郊外のエルフト川沿いに、自然と芸術との共存をモットーに創られた芸術公園で、「美術館島」ともいう。
その昔、ここは石炭の採掘場であった。
石炭を掘 り終えた荒涼とした荒野を手に入れたのは、プローカーで美術品コレクターのカール・ハインリヒ・ミューラー氏。1986年、彼はここに、古代の湿地帯を復元し、その風景に調和させた野外作品を展示、芸術家のためのアトリエ、パヴィリオン等を点在させた「総合芸術作品」としての「美術館島」を開設した。(写真上は、現在も野天堀りが行われている採炭場・デュッセルドルフ郊外)
一日ではとても回りきれないほどの広い敷地の中を、
野原をピクニックするように散策しながら歩いていくと、
楽しく語らうように並ぶ椅子たち。
建築家の作品になるパヴィリオン。
パヴィリオンの中は、異次元の芸術空間、
古代西洋と古代東洋とが混在し、
過去と現代と未来が錯綜する。
子半日をかけて回っても全部は回りきれず、最後に行ったのが、「安藤忠雄」の美術館。コンクリートの壁と水、余分な装飾を取り除いた知的な安藤忠雄の世界である。
こんなところで安藤忠雄と出会えるなんて !
何だか懐かしく、うれしい感じ。
ここ美術館等には、野外作品やパヴィリオンの他にも、レンブラント・ブランクーシ・ミロ・セザンヌ・マチス・ピカソ・ゴッホ・モジリアニ等のコレクションが無造作に展示されているのだと聞いたが、今回は半分で引き返した。
美しい緑に覆われた芸術公園の製作は、現在も進行中で、アトリエではここに居住して作品を制作するアーティストたちが暮らしているのだそうだ。
それにしても、なんという贅沢、何と豊かで美しい空間であることか !
日本にも(静岡市に)、こんな公園が欲しいものだ。