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バンビ・わーるど

プラダー・ウィリー症候群の息子「バンビ」を愛し、その成長を見守る母・suzuのつれづれ日記(&ときどき猫だより)

PWSのPWSなところ

2011年06月30日 | 日々の出来事
支部総会で、バンビはYちゃんというお姉ちゃんと仲良くなった。

Yちゃんは小学校の高学年で、ずっと普通級で頑張っているくらいだからPWSの中でもしっかりしている方(だと思う)。
自己紹介では本人が学校の様子などをちゃんと話をしていたし、ぜんぜん太ってもいないし。

で、周りの子がおやつを食べ始めたのでバンビにも渡したら
いつの間にか 2人でもぐもぐと食べていた。
まぁ、バンビも少しぐらいなら他の子におやつを分けてあげることもあるし
と思ってあまり気にせずにいたんだけど
しばらくしたら Yちゃんが「もっとおやつありますか?」と私に聞いてきた。

「もう1つあるけど、あげていいかどうかお母さんに聞いてみないとわからないから。」と答えたら
即座に「お母さんは ”食べてもいい”って言ってました。」と言う。

いやいやー、そんなわけはないよね。
平気でしれっとそういうこと言うところは、しっかりしていてもPWSはPWSだなぁ。
(お母さんに確認したら、もちろんNGだった。)


またしばらくは一緒に遊んでいたようだけど
突然バンビが泣き出したのでどうしたのかと思ったら
「お姉さんが鉛筆を返してくれない。」と言う。

何でこじれたのか、彼女がバンビの鉛筆を取り上げて、私が頼んでも
「自分で言わないと返せない」とか「じゃあ、じゃんけんして買ったら」とか言って
ほんとに返してくれない。

さらに閉会も近くなった頃、バンビがトイレに行ってYちゃんも着いていってくれたんだけど、しばらく帰ってこなくて...
片付けてから様子を見に行ったら、個室の中からバンビが号泣する声が...。
聞くと「お姉さんがスリッパを頭に投げつけたー」という話。
でも、彼女は「私は何もやってない。私は悪くない。」と言う。


うーん、もちろんバンビの話が100%真実とは思ってない。
バンビにも非はあるんだと思う。
会場が蒸し暑かったし、疲れて眠くなってグダグダにもなってたし
そういう時 ちょっとのことを大げさに言って泣くのはいつものことだしね。

でも、たぶんYちゃんも バンビをかわいいと思ってくれる気持ちが
”しつこさ”に変わってしまった部分もあるのかな という気がする。
そして、相手の反応や相手の気持ちがいまいちわからない、通じない ところは
障害児共通の部分というか。


他のお母さんからも
”何でそんなことするの?”というようなことを時々やらかすから
”また何かやらかすかも”と思って、我が子を100%信用できない。
という声をよく耳にするんだよね。

悲しいけど、それがPWSのPWSなところなんだよなぁ と
今回改めて思わされる一件でした。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp

希望の星

2011年06月30日 | 日々の出来事
親の会の支部総会にバンビを連れて行ってきました。

普段 親の会では年齢別に年長・年中・年少に別れた交流会があり
今年から10歳までは年少グループということになったので、バンビは年少グループとして参加しているんだけど
支部総会は年齢関係なく赤ちゃんから成人したお子さんまで、支部の様々な年齢のお子さんとその家族が集まる貴重な機会なのです。

年少グループの中ではバンビはもう年齢的には上の方ってことになるからねぇ。

もちろん、小さい子の話からも気づかされること・得ることはあるし
天使のような赤ちゃん達に触れさせてもらえるとそれだけで癒されたりもするし。
何より、昔私が先輩ママさんにしてもらってありがたかったことを自分も下のお子さん達に返したいという気持ちがあるから、それはそれでいいんだけど。

でも、やっぱりたまにはバンビより年上のお子さんの話を聞くことができると、将来につながるところがあるからありがたいんだよね。


で、今回は 特に成人したご本人・Mクンが自ら文章を考えて近況報告をしてくれたんだけど
それがものすごく感動的だった。

Mクンは高校(支援学校)を卒業後、作業所ではなく企業(特例子会社かもしれない)に就職して、それなりのお給料を稼いでいるのです。
意欲と責任感を持って毎日きちんと仕事できるって、それだけでもすごい。

その上ちゃんと貯金もして、母の日にはお母さんにフレンチをご馳走し
余暇にはお友達とカラオケをしたり、ゲームを楽しんだり。
成人式の時にスーツを着るために自らカロリー計算をして、8kgものダイエットに成功したのだとか。

みんなの前で、自分の言葉でよどみなく語る彼の姿は、ほんとに今どきのフツーの若者。
太ってもいないし、黒で決めておシャレもしてるし
聞かなければ知的障害があるようにも見えない。

PWSって「大変な話」はよく耳にして、その度に”バンビもそうなるのかー”と凹むけど
中にはこんな風に頑張っているお子さんもいるんだと知ると
”バンビもそうなれるかも”と将来に希望が見いだせる気がしてありがたい。
もちろん、一人ひとり個性があることなんだけど、可能性は0じゃないって思えるだけでもね。

Mクンのお母さんには以前から面識があるのでちょっとお話したんだけど
「周りの人に恵まれて支えられてきたから。」とあくまで謙虚。

私:「でも、そういうのを引き寄せる力がきっとご本人にあるんですよね。」
Mクン母:「うちの子、”持ってる男”って言われてるのよ。」と嬉しそう。
私:「その力を作ったのは、お母さんが頑張ってきたからですよね。」
Mクン母:「まぁ、嬉しいこと言ってくれるわー。」

あぁ、いいなぁ。
もちろん、順調であってもPWSはPWSなんだけど
でも、ここまで来れば 取りあえず一安心だよね。

Mクンは今の生活を楽しむことができているし、お母さんも幸せそうだった。
私も10年後、Mクンのお母さんみたいになれるように頑張ろう。

メールはこちらまで → bambi-suzu@mail.goo.ne.jp