バンビがまだおなかの中にいる時、私は「ベビちゃん」と名前を付けて呼んでいた。
産院への行き帰りにいつも通る桜並木を見上げては、”つぼみが膨らんできたよ”とか
”やっと咲いたよ、綺麗だね”とか、ベビに話しかけていた。
毎年散る花を惜しむ気持ちがあったけど、その年だけは”葉桜の頃会えるんだね”って
毎日ほんとに心待ちにしていた。
あの頃はまさかベビに障害があるなんて思いもしなかったし、その後の(今みたいな)生活も想像すらしてなかった。
あれから3年。あっという間に流れた時間。
桜が咲く頃になると今だって心浮き立つ気持ちになるけど、でもベビと会話してた頃のことを思い出して鼻の奥がツンとしてくる。
きっと毎年桜の季節になると、あの時の自分を懐かしく思い出すことになるんだろう。
そんなわけで、桜は私にとって大好きだけどちょっとせつない花になりました。
なんだか同じで読みながら切なくなりました。通勤帰りに重い買い物袋提げて、小さな坂をよいしょ、よいしょ、もうすぐよ、ごめんね、と声をかけてよく帰ったものです。桜も咲いてました。働き出して、保育園の帰り道、バギーの娘に話しかけながら、ふとお腹にいた時のこと思い出して私も鼻の奥がよくつんとなったものです。今月から保育園が変わるけど、通勤経路は同じ。幾度となく思いだすんだろーな、と思います。