「わほッ♪
にゃんこォでスゥ!」
「ぐるる!がるる!」(←訳:静かに!眠ってるよ!)
はい、そうね、眠ってる猫ちゃんを起こさないように、
今日はヒソヒソ声で、こんにちはぁ、ネーさです。
「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ……」
「がるる~…」(←訳:虎です~…)
ヒソヒソ声の本日は、
ちょうど一週間前にお送りいたしましたね、
神奈川県の平塚市美術館で開催された
『長谷川りん二郎 展』レポートの追補編と、
同展覧会の図録を兼ねて刊行された画集を御紹介いたしましょう。
こちらを、どうぞ~!
―― 長谷川りん二郎画文集 静かな奇譚 ――
監修は土方明司さん、’10年3月に発行されました。
(『りん二郎』の『りん』は、さんずいに、米と舛を書きます)
「ふむふむゥ、
このにゃんこちゃんはァ、がかさんのォ、にゃんこちゃんっ、でスかァ」
「ぐるる~ぐる?」(←訳:よく寝てるね?)
気持ち良さそうに眠る猫ちゃんの名は、タロー。
画の題名は、『猫』。
なんともシンプルな、そのものズバリの題名ですね。
この画には様々なエピソードが伝えられています。
タローちゃんの飼い主、
画家の長谷川りん二郎さんは、たいそうな愛猫家。
タローちゃんをモデルに描き始めたはいいものの、
おい! ポーズしろ!
ここに寝そべるんだ!
顔をこっちへ向けろ!
などと怒鳴りつけるような人柄ではありませんでしたから、
タローちゃんが自然に画と同じ姿勢になるまで、
気長~に待ち続けます。
どのくらい待つかというと、
一年……また一年……もう一年……さらに……
「むぱァ~、な~が~いィ~」
「ぐるる~」(←訳:長過ぎ~)
月日は流れ、
とうとうタローちゃんは亡くなってしまいました。
それでも、画は完成した状態であるとは言えません。
何故なら、タローちゃんの髭が、
描き込まれていなかったからです。
画の買い手さんに懇願されて、
りん二郎さんは髭を描き入れます。
けれど、片頬だけ……
対象を目の前にしないと描けないりん二郎さんは、
そこで筆をおいたのでした。
永遠に未完の、眠るタローちゃんの肖像。
未完なのに、深い引力を湛えるような、タローちゃんの寝姿。
タローちゃんの幸福が、
りん二郎さんの幸福が、
画布の宇宙に結晶しています。
展覧会でも、この『猫』の画は大人気!
絵葉書は売り切れ、
ポスターも完売!
原画の素晴らしさは……いうまでもありません!
「しッ!
ネーさッ、しずかにィ~」
「ぐるがるる~」(←訳:小さな声で~)
……そ、そうだったわね、
再びヒソヒソ声で、えっへん、おほん。
この画文集には、展覧会で展示された画、129点と、
りん二郎さんが著した随筆、
年譜などが収録されています。
展覧会会場では『猫』のごく近くに展示されていた
『タローの履歴書』なる文書が、とにかく傑作!
ネーさは会場で爆笑を堪えるのに必死でしたよ~♪
「わらッちゃだめェでスゥ、
りんじろうさんはァ、まじめェ、なのでスよゥ~」
「ぐるる~がる~」(←訳:でも~笑える~)
静かさと、ユーモアとが優しく同居する
『平明・静謐・孤高―― 長谷川りん二郎展』は、
平塚市美術館での展示は終了しましたが、
この後、
下関市美術館(7月1日~8月15日)、
北海道立函館美術館(8月28日~10月17日)、
宮城県美術館(10月23日~12月23日)と、
全国を巡回する予定です。
お近くにお住まいのアート好きさんは、ぜひ!
ちょっと遠いわ……展覧会へは行けそうもないわ……という御方は、
一般書店でも入手できるこの御本で
りん二郎さんの画業を目に焼き付けて下さいな♪
静物画ってこんなにいいものなのか……!
と驚愕すること必至です!
「ぐ~すかァぴィ~…」(←いつの間にか、熟睡?)
「ぐるる~…」(←こちらも?)
では、タローちゃんの見る夢を、皆さまも!
にゃんこォでスゥ!」
「ぐるる!がるる!」(←訳:静かに!眠ってるよ!)
はい、そうね、眠ってる猫ちゃんを起こさないように、
今日はヒソヒソ声で、こんにちはぁ、ネーさです。
「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ……」
「がるる~…」(←訳:虎です~…)
ヒソヒソ声の本日は、
ちょうど一週間前にお送りいたしましたね、
神奈川県の平塚市美術館で開催された
『長谷川りん二郎 展』レポートの追補編と、
同展覧会の図録を兼ねて刊行された画集を御紹介いたしましょう。
こちらを、どうぞ~!
―― 長谷川りん二郎画文集 静かな奇譚 ――
監修は土方明司さん、’10年3月に発行されました。
(『りん二郎』の『りん』は、さんずいに、米と舛を書きます)
「ふむふむゥ、
このにゃんこちゃんはァ、がかさんのォ、にゃんこちゃんっ、でスかァ」
「ぐるる~ぐる?」(←訳:よく寝てるね?)
気持ち良さそうに眠る猫ちゃんの名は、タロー。
画の題名は、『猫』。
なんともシンプルな、そのものズバリの題名ですね。
この画には様々なエピソードが伝えられています。
タローちゃんの飼い主、
画家の長谷川りん二郎さんは、たいそうな愛猫家。
タローちゃんをモデルに描き始めたはいいものの、
おい! ポーズしろ!
ここに寝そべるんだ!
顔をこっちへ向けろ!
などと怒鳴りつけるような人柄ではありませんでしたから、
タローちゃんが自然に画と同じ姿勢になるまで、
気長~に待ち続けます。
どのくらい待つかというと、
一年……また一年……もう一年……さらに……
「むぱァ~、な~が~いィ~」
「ぐるる~」(←訳:長過ぎ~)
月日は流れ、
とうとうタローちゃんは亡くなってしまいました。
それでも、画は完成した状態であるとは言えません。
何故なら、タローちゃんの髭が、
描き込まれていなかったからです。
画の買い手さんに懇願されて、
りん二郎さんは髭を描き入れます。
けれど、片頬だけ……
対象を目の前にしないと描けないりん二郎さんは、
そこで筆をおいたのでした。
永遠に未完の、眠るタローちゃんの肖像。
未完なのに、深い引力を湛えるような、タローちゃんの寝姿。
タローちゃんの幸福が、
りん二郎さんの幸福が、
画布の宇宙に結晶しています。
展覧会でも、この『猫』の画は大人気!
絵葉書は売り切れ、
ポスターも完売!
原画の素晴らしさは……いうまでもありません!
「しッ!
ネーさッ、しずかにィ~」
「ぐるがるる~」(←訳:小さな声で~)
……そ、そうだったわね、
再びヒソヒソ声で、えっへん、おほん。
この画文集には、展覧会で展示された画、129点と、
りん二郎さんが著した随筆、
年譜などが収録されています。
展覧会会場では『猫』のごく近くに展示されていた
『タローの履歴書』なる文書が、とにかく傑作!
ネーさは会場で爆笑を堪えるのに必死でしたよ~♪
「わらッちゃだめェでスゥ、
りんじろうさんはァ、まじめェ、なのでスよゥ~」
「ぐるる~がる~」(←訳:でも~笑える~)
静かさと、ユーモアとが優しく同居する
『平明・静謐・孤高―― 長谷川りん二郎展』は、
平塚市美術館での展示は終了しましたが、
この後、
下関市美術館(7月1日~8月15日)、
北海道立函館美術館(8月28日~10月17日)、
宮城県美術館(10月23日~12月23日)と、
全国を巡回する予定です。
お近くにお住まいのアート好きさんは、ぜひ!
ちょっと遠いわ……展覧会へは行けそうもないわ……という御方は、
一般書店でも入手できるこの御本で
りん二郎さんの画業を目に焼き付けて下さいな♪
静物画ってこんなにいいものなのか……!
と驚愕すること必至です!
「ぐ~すかァぴィ~…」(←いつの間にか、熟睡?)
「ぐるる~…」(←こちらも?)
では、タローちゃんの見る夢を、皆さまも!