村上春樹フリークの小西巧治さんが昨日来店。
『文学界』8月号掲載の「村上春樹の神戸を行く」(鈴村和成)のコピーを持って来て下さった。
二段組み21ページの力作である。
鈴村氏は「暦程」同人の詩人でもある。そして村上春樹研究の第一人者。
この記事のための取材に鈴村氏は東京から来られたのだが、その案内を小西氏がしておられる。
村上春樹は少年時代を西宮に暮らす。最初に入学した小学校は浜脇小学校である。わたしもその学校に入学した。後に春樹氏は香櫨園小学校開校とともに集団転校している。わたしも用海小学校再開とともに集団転校した経験がある。
さらに西宮神社、香櫨園浜、夙川など、私が幼い日に遊んだ場所が重なる。
鈴村氏はそこを訪ねて村上文学の源流を探る。それらの場所が小説に色濃く影響を及ぼしているのだ。その取材のお手伝いをされたのが小西氏だ。
身近な記述がいっぱい。西宮がいっぱい。全国発信の雑誌にこれだけ西宮が取りあげられることは少ないであろう。それに比して西宮市は文化意識が希薄である。今や村上春樹は芦屋神戸に取り込まれてしまっている。西宮で少年時代を過ごしたということを市として発信しようとしない。残念なことだ。
小西氏はわたしに熱っぽく語って下さる
まるで少年のような目で。全く邪心のない目だ。村上春樹と西宮に恋したように語られる。わたし、春樹はほとんど読んだことがない。しかし春樹はいまや海外でもっとも多く読まれている日本人の作家である。海外の教科書にもっとも多く採用されている作家でもある。ノーベル文学賞に最も近い日本人なのだ。
小西氏の熱意に押されて、時間に余裕が出来れば、もう一度春樹に取り組んでみようかと思う。