編集工房ノアの涸沢さんから「海鳴り」24号が届いた。
年に一回出るノアのPR誌である。PR誌だがいつもいい読み物が載っている。
今号は、社主、涸沢さんの「大洲からの手紙」に泣かされた。
杉山平一先生の詩集『希望』を読んだ人からの手紙のことが書いてある。
「話が長くなりますので手紙を書くことにします。私が杉山平一さんの『希望』を購入しました理由から話さねばなりません。」
と手紙は始まる。
そして、元同級生から「このお方は学徒動員で尼崎精工に行っていた時の社長さんのご子息様です」と教えられる。
手紙は続く
「専務さんのお話をお聞きしまして…、私はお顔はなぜか今でもよく覚えております。」
杉山平一氏は、父が昭和13年に設立した尼崎精工株式会社に翌年から勤務することになり、人事課で青少年工の指導に当たった。
これは少女から見た貴重な学徒動員の証言である。手紙はさらに、地方紙に載った現在の杉山さんの写真を見て、自分が思う同一人物か、市立図書館に確かめに行く。図書館に杉山さんの『詩と生きるかたち』があり、その中に、昭和20年代のものが入っていて、「わたしの覚えておりました背の高いお方に間違いありませんでした」と、かつての専務さんが、詩人杉山平一であったことを確認する。
その後、杉山さんの『わが敗走』を読む。
―後略―
この続きを読みたい人は、「輪」へおいでください。感動的な話が続きます。
「海鳴り」24号、20冊頂いています。お譲りします。