わたし、ブログ上に政治的な発言をすることを極力控えているのですが、今回はちょっと。
大阪維新の会市議団がこのほど議会に提出を予定していて、一週間足らずで撤回に追い込まれた「家庭教育支援条例案」のことである。
あまりにも勉強不足。発達障害について「親の愛情不足が原因」「伝統的子育てで防止できる」との記述があったと。
心ある研究家が長年営々として取り組んできて、明らかになってきたことを、こんなにあっさりと否定してしまう恐ろしさ。無知とは罪です。特に政治家の無知は。発達障害児を持つ親は、この研究成果を心の支えにできるようになったのです。それまでは、「親の教育が悪い」と批難され続けて来たのでした。しかし、そうではなく、「発達障害」という言葉にも問題はあるが、人間の個性だったのです。それが世界的に明らかになり、アメリカなどは、そのような人間が特別の能力を発揮することもあるというので、却って優遇するようなことも聞いています。なのに、日本の大阪ではこの程度なのです。親にすれば悲しいことです。幸い兵庫県では、発達障害児のための施設が新たに創設されるというような報道もありました。
わたしは、ちょっと目線が自分でも変わっていると思うのですが、世の中に新しい組織が生まれ、それがもてはやされ、急激に成長する時には、一度距離を置いて冷静に見てみなければならないと思う者なのです。未熟のうちに膨張すると何をやらかすかわかりません。地道な研究の成果が、未熟な政治家の馬鹿力一発で壊されることのないように願いたいものです。
今日はまた、ちょっと辛口でした。異論を持つ人もあるやに思いますが…。
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コメントに入った記事ですが、あえてここに掲載させていただきます。soniqueさんお許しを。
―そう、そんなん言うてんねんや。この会の名前見ただけで吐きそうになるから、新聞記事やネット記事からも目をそらす状態…知らんかった。アカンな、ちゃんと知ろうとしないと、ほんま単純な人集団を放っておくと、恐ろしくアホなこと言いよるから、そんなこと聞いたらこけそうになるわ…。無知は恐ろしい。
発達障がいは「脳」の障がいです。発達障がいと言われるほとんどの子供たちに自閉症の症状が見られます。脳の障がいには「躾」などでは何も変わりません。ここで言われている「発達障がいの子供たち」のことは、おそらく知能に遅れのない高機能自閉症の子たち(人間の作り上げた知能テストで平均値またはそれ以上の知能の子供たち)のことでしょうね。
知能に遅れはないが、社会に溶け込みにくく、人、特に同じ年頃の子供たちとのコミュニケーションを苦手とします。時に教師の指導力が足りないと、授業中の立ち歩きや暴言などで学級崩壊を招くことがあります。
最近ちまたでもよく聞かれるアスペルガー障害やADHDの子供たちもここに含まれます。でもその中でも日本ではあまり知られていない、2E(ダブルに例外という意味)と呼ばれる子供たちは、自閉症やハイパーレキシアの症状を持ちながらも、ある特定の機能が定型児と呼ばれる一般の子供たちに比べ恐ろしく発達していることが知られています。例えば記憶力、これは自閉症の子供たちのほとんどの子が優れている部分ですが、中でも一度見た場所や風景、数字、記号などを忘れず記憶することができる子がいます。いわいゆる数学天才児などの理数系に才能を発揮する者も多いです。また芸術やスポーツにその才能を見出す子供もたくさんいます。アメリカの水泳オリンピックゴールドメダリストのマイケル・フェルプスもADHDが原因でお母さんが水泳をさせたのは有名な話です。
他に有名な人の中にはアメリカの牧場建築家テンプル・グランディン、彼女はビル・ゲイツのことも「私たちの仲間だ」と言っています。そしていま世界で注目の facebook 創設者のマーク・ザッカ―バーグなんかも、人との付き合いが上手くないことからなんらかの発達障がいがあるのではないか?と言われています。
つまり世界の経済を動かす人の中には(もちろん天才がみんなそうであるとは言わない)発達障がいを持つ人が多いのは、まぎれもない事実です。そんなことから、欧米ではそういった特別な才能を持つことが多い(必ずあるわけではない)発達障がいを持つ子供たちを早く発見し、その子にあった教育を受けさせるための施策をとっています。難しいことではあるけど、うまく社会に溶け込めない子供ほど手厚く教育しようということです。
日本第二の都市である大阪の中心にいる人たちが、こんなアホなこと言うてたら、世界経済から日本がおいてけぼりになるのは当然ちゃー当然のことです。いまの教育現場で何が起きているか全く把握できていないアホどもが、好き勝手なこと抜かしてこの国をつぶすな!子供を殺すな!
普通の主婦怒りの声―