喫茶 輪

コーヒーカップの耳

フォト詩集『親水公園にて』

2022-11-13 17:19:22 | 
芦屋の詩人山下徹さんの新詩集『親水公園にて』を読ませていただいた。
全ての詩に写真が添えられている。



例によって「あとがき」を。
←クリック。
ここにあるように、今年二冊目の詩集。
精力的です。なにかに追われるように、といった感じもします。
というより、義務感にも近いでしょうか。
この詩人のこれまでの詩は、正直言ってわたしには難しかったです。
でもこのところの詩は、心の内がそのまま自然に流れ出るようで、わたしにも馴染めます。
「序章」です。←クリック。
とはいっても言葉は選ばれていて、やはり「詩」です。
この詩などは特に。


写真は上げないが次の「その13」など、質のいいアフォリズムを思わせます。

  不幸を 幸福に変えることはできない
  だけど 不幸を表現することはできる

  そのことをまた 再確認していた
  しばし橋の前で 空を仰いでいた


「その16」はこうです。

  芦屋の海に近い公園の片隅で
  私は片隅なりの詩を書いている
  
  好きなら 好きだ
  きれいなら きれいだ そう書いている
  雲や木や風 そこに生きるあの女とお話しをする
  それが片隅の詩だ

  きょうも 木陰で
  六甲山を見ている


詩集全体の後ろに8年前にお亡くなりになった氏の愛妻の姿がうっすらと見える。
わたしもよく知る人だった。「輪」へも何度もご来店くださった。将棋の好きな人だった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする