喫茶 輪

コーヒーカップの耳

『そこはまだ第四紀砂岩層』

2020-10-28 14:29:45 | 
入院中に届いていました。
詩集『そこはまだ第四紀砂岩層』(服部誕著・書肆山田)。

14行詩が26篇、70ページの瀟洒な詩集。
この服部さんからは、先に小説集『もう一つの夏 もう一つの夢』をお贈りいただいている。
この小説集が素晴らしかったので、この人は散文系の人だと勝手に思っていた。
しかしやっぱり詩人なんですね。
語彙が豊富。
そしてスマートな飛躍。
一篇わたしが好きなのを紹介しましょう。
「屋根を超えて」です。
←二段階クリックで。
もしもわたしがこのモチーフで書いたなら、俗っぽいものになるのでしょうね。
泥臭いものに仕上げてしまいそうな気がします。
それはそれでいいのかも知れません、と自己弁護しておきましょうか。

そして、印象的だったのが「あとがき」でした。
←クリック。

←クリック。

味わい深い「あとがき」ではありませんか。
そしてわたしがことのほか驚いたのは、禅の公案「隻手音声」という言葉が出てきたこと。
実はわたし、若き日に禅寺の門を叩いたことがあり、師家、大井裁断老師から最初に戴いた公案が、この「隻手音声」でした。
たしか一年以上悩まされたかと思います。

そんなこともあって、この『そこはまだ第四紀砂岩層』は印象深い詩集でした。

禅の世界とは正反対?の世界を描いた本『完本コーヒーカップの耳』
面白うてやがてかなしき人の世かな。
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