喫茶 輪

コーヒーカップの耳

二冊の詩誌

2022-03-16 08:20:37 | 
神戸の詩人永井ますみさんからお送りいただきました。



「リヴィエール」181号と「現代詩神戸」276号です。
どちらも長く続く詩誌。
わたしの目に留まった作品をいくつか紹介します。
まず『リヴィエール』から。
永井さんの「剥製するおっちゃん」。
←クリック。
この作者は方言を大事にしている詩人です。そこにわたしも共感します。
この詩でも山陰地方の方言が効果を出していますね。
昔の話が実感を伴って漂い出てきます。
それにしても動物を剥製にする人が身近におられたとは驚きです。
わたしは、空虚、といったら失礼になるのかもしれませんが、手触り感のない詩よりもこういった実感のある詩が好きなんです。
次は横田英子さんの「さびれる日々がある」。

終りから二連目、わたしも今実感していることです。
  《一人二人と去っていく 懐かしい人たち》
昔よく聞いた言葉「年を取るということは、親しい人との別れだ」と。
若い時には聞き流していましたが。
横田さんもしみじみと実感しておられるのでしょう。

『現代詩神戸』より。
井口幻太郎さんの「誘(いざな)われるままに」。

これも一種の老境をうたったものでしょうか。少し哲学的ですが、共感します。
次は岩崎英世さんの「宮川」。

芦屋の橋の名前がたくさん出てきて、実感の感じられる作品ですね。
しかもそれに付して地蔵さんがたくさん登場。地域の歴史も語られていて、わたしの気に入りました。

ところで今号の『現代詩神戸』ですが、いつもわたしが楽しみにしている記事がありません。
それは三宅武さんによる「あとがき」なのです。
一つ一つの作品を寸評してゆくその手つきが楽しみだったのですが。
永井さんがこんなことを書いておられます。
「今回から編集校正は今猿人さんに入って頂きました。三宅さんの体調不良のためです。頭脳は明晰なのだけれど、骨が弱っているので注射で励ましておられるとか、前回の詩「呑まれる」が絶筆だと言われていますが、また元気になって執筆してください。皆さんの楽しみにしてくださっている「あとがき・評」はしばらくありません。」
とのことで、残念です。

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