『名文どろぼう』(竹内政明・文春新書)を読んでいて、「おっ」と思う記述があった。
―新聞社とは変な職場で、昇進してペンを取り上げられる者はむしろ不幸であり、出世コースから外れて記事を書きつづける者を幸せとみなす空気が伝統として残っている。―
「おっ」と思ったのは、以前よく似た話を宮崎修二朗翁からお聞きしたことがあるから。
「昇進しまして、部下をつけられました。わたし、困りました。で、上司に、『頼みますから元に戻して下さい』と言ってヒラに戻してもらったことがあります」
えっ、ホントかな?と思っていましたが、ホントだったんですね。
ちなみに、竹内政明氏は、読売新聞論説委員。朝刊一面コラム「編集手帳」の執筆者。この本、バカに面白いです。