喫茶 輪

コーヒーカップの耳

詩集『つきひ』

2022-05-26 08:31:26 | 『恒子抄』
詩集『恒子抄』だが、奥付にこれまでに作った著作物を並べた。
全部で30冊。←クリック。
ところが忘れていたのがあった。
『つきひ』という詩集Ⅰ~Ⅲ。



和書風手作り冊子。たしか詩友の今は亡き堀川さんから頂いた彼女手製の冊子。
これにわたしが手書きしている。
すべて家族のことを書いたもの。悪筆です。とても人様には見せられない。
冒頭の詩は「今日が終わって」。1981年1月の作。41年前だ。
そして巻末の詩は2004年作の「恒子」。
因みに「つきひ」とは、わたしたち家族四人の名前の頭文字を並べたもの。
「つねこ」「きんじ」「きよ」「ひとし」ということで、「き」が二人いるが。

     「今日が終わって」
  夕刻より妻は公民館へ出かけている
  二人の子どもは もう二階へ上がって寝ている
  衣服が脱いだままの姿で散らかっている
  冷蔵庫がかすかに地虫のような声を立てている
  ストーブにかけられたやかんが
  ちんちんと
  独り言をつぶやいている
  その上に吊るされた日めくりごよみが
  かさかさとささやいている
  時おり明日の日付が顔を出す
  外は少し風が出てきた様子
  明日は寒くなりそうである。


何の創意もない初期の作品だが、懐かしい。

『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
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