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『帝塚山派文学学会』

2022-04-11 10:53:13 | 杉山平一先生
昨日の木津川計さんの「一人語り劇場」でお会いした、杉山平一先生のご息女、初美さんから一冊の本をいただきました。



200ページを超える立派な本です。
表紙写真は初美さん提供の、書斎での杉山先生の姿。
この書斎にはわたし、初美さんの案内で、先生没後に訪問させていただいたのでした。
ある種、感慨深い場所でもあります。

木津川計さんが一文載せておられます。といっても、講演録ですが。
「都市化と文化 ―大阪はなぜ人材払底都市になったのか―」と題したもの。
「なるほどな」と深く納得させられました。

実は木津川さんは、杉山平一先生のフアンでもありました。
色んな所で、杉山先生のことを称揚されていました。
そんなわけで、初美さんもこの会場に来られたのです。
実は今回の公演のこと、わたしは初美さんから情報をいただいて、あわててチケットを予約したのでした。

この本には「中年期の杉山平一 —詩集『声を限りに』まで―」と題して、
宮坂康一氏が24ページに渡って杉山論を載せておられます。
読ませていただいて感心しました。これまで読んだ杉山論とは少々視点が違っていました。新鮮でした。
「そうかそうだったのか」と思わせられたり。
こんな箇所があります。興味のある方、写真をクリックしてお読みください。
←二段階クリックで。



《有名になると、こんなつまらない文章までが、立派な本にしてもらえるのかという、羨望になり、やがて、いつまで経っても、自分の名のひとかけらもそこには並ばないというみじめに、うちのめされてきます。》
小説の中の言葉ではありますが。
論者の宮坂氏は《やはり、「私」の屈折は、杉山平一自身のものだと見ていいだろう。》と書いておられる。
杉山先生、お亡くなりになってもう久しいが、この文を読んでわたしは、また身近に感じさせてもらうことになった次第です。
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