喫茶 輪

コーヒーカップの耳

「現代川柳」第5号

2023-04-18 17:53:37 | 文芸
『現代川柳』5号(2023年春号)をお贈りいただきました。



面白い川柳がいっぱいありました。わたしのお気に入りの句を紹介します。

  亡き母の手を握る感触 つるし柿   岸本きよの

  立志伝などは言わずに亡父の松    丸本うらら

  散らないとほっておかれる造花たち  近藤ゆかり

  曲がり角見えてなんだかほっとする  田村ひろ子

  ひらがなで書けば転がり出した桃   石川街子

  救急車良いとは言えぬ乗り心地    田村尋

  どの国も神はお留守で戦争で     佐渡真紀子

  追伸にて嘘つく兎朧月        井上青柿

  給湯の温度差がある夫婦かな     小川牧子

  棘のない言葉でじわり責めて来る   黒川佳津子

  病む妻に無理なら言えと言っておく  中野文擴

  神様の自由を乱す鈴を振る      米澤久男

  殴りたい人には生きていてほしい   中川千都子

  エスカレーター無言を運びゆく無言  田村ひろ子

  点滅よもう駆けるのは無理なんよ   中川浩

  断られほっとしている意気地なし   久保奈央

  地球には優しいくせに私には     夏梅堂

  気の長いひとなんて言われる 嫌みらし  道家えい子

  父の日記語彙散りばめてあった日々  中野文廣

  針穴の小さきことに腹を立て     小田切春美

  断捨離で健康器具を捨てている    近藤浩之

  トンネルを抜けたところにある嵐   千足千

  ハッとする無口な人の独り言     小田寸思

  
みな味がありますねえ。
毎号、自分の気に入りを探すのが楽しみです。
もっともっといっぱいありますけど、これぐらいで。
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以倉紘平さんのこと

2023-04-16 08:35:48 | 
昨日の「安水稔和さんを語る会」の帰りに、詩人以倉紘平さん(会ではいいスピーチをされた)と道々話す機会があった。
直接お会いしてちゃんとお話ししたのは初めて。
実は昨年、ノアさんから取り寄せて読んだ以倉さんの詩集『明日の旅』に思いがけないことが書かれていた。
そこで以倉さんに問い合わせをしたりして接触を持たせていただいたのだった。
このことについてブログを書いている。
「遠い記憶の人」 

もう一回。「以倉紘平さんの本」

「その件はまたどこかに書くことにするのでここでは書かない。」と書いているが、
そのことは昨年、7月号の『KOBECCO』に「無常迅速 時不待人」と題して詳しく書いた。

←クリック。



あれは感動的だった。

そして、以倉さんに関しては、昔にちょっと関りがあった。
2001年発行の拙詩集『コーヒーカップの耳』を読売新聞の詩集評欄で触れてくださった。
この切り抜きは、たしか工藤恵美子さんが「載ってたよ」といって送ってきてくださったのだったと思う。
その工藤さんと昨日久しぶりにお会いした。なつかしかった。
詩集評の主役は中塚鞠子さんだったが。因みにその中塚さんも昨日の会に出席しておられた。
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「安水稔和さんを語る会」

2023-04-15 19:40:39 | 安水稔和先生
神戸市立中央区文化センターで行われた「安水稔和さんを語る会」に出席してきました。





悪天候でしたが、会場は超満員でした。
兵庫県現代詩協会会長の時里二郎さんの開会あいさつに続き、スピーチや朗読など何人もの会員が出演。
そしてゲストの神戸新聞論説委員の平松正子さんや、編集工房ノアの社主の涸沢純平さんなどのスピーチ等。
ほぼ3時間ほどの会でした。
久しぶりにお会いする人が多く、旧交を温めました。
常任理事の北野和博さんから「兵庫県現代詩協会の会報、創刊号から持ってはりますか?」と問われ、「多分あると思います」と答えたのですが、
帰って来て調べてみると、8号までが見つかりません。
どこかにあるとは思うのですが…。北野さん、スミマセン。

かつて安水先生の教えを受けた「火曜日」の同人、やはりたくさんの出席でした。
高橋さん、福岡さん、中島さん、柴田さん、北野さん、佐土原さん、工藤さん、芦田さん、瑞木さん、黒住さん、中嶋さん、神田さん、岩井さん、朝倉さんなど。
帰りに連れ立っていたTさん,Nさん,Sさん、わたしの4人で喫茶店でおしゃべり。
久しぶりに楽しかったです。
またこんな機会があればいいのですが。
コメント (3)
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西宮芸術文化協会設立50周年

2023-04-14 15:05:47 | アート・文化
久しぶりに公的な会に参加してきました。
「令和5年度西宮芸術文化協会定例総会」
場所は西宮神社会館。
神社の境内に入るのも今年初めてのこと。
毎年欠かさずお参りしていた「十日えびす」にも行きませんでした。





昨年の後半から体調不良で公の席には出ることはなかったのですが、
今、ちょっとマシなので思い切って出かけてきました。
但し、
今日は「西宮芸術文化協会50周年記念式典及び祝賀懇談会」が総会の後に行われているのですが、まだ長時間の拘束は自信がなかったので、
第一部の総会だけの出席で帰って来ました。
元気なら喜んで参加したのですが、残念でした。
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初診の科

2023-04-12 17:25:06 | 健康・病気
今日は、ずっとお世話になっているM病院の予約受診。
新しい疾病で初めての科にお世話になりました。
午後2時半の予約で、家を2時に出ました。
受付が2時20分ぐらい。
そして問診書などを書いて手続きを済ましましたが、大いに待たされました。
病院は仕方ないですよね。一人ひとり内容が違いますからね。
待合所にはたくさんの人でした。
1時間20分ぐらい待ちました。
その間、持っていた読みかけの本を読んでいました。
読み切れるとは思っていなかったのですが、もう少しで終わりの所まで読めました。
診察は10分ぐらい。
その後、これから受ける検査の説明を説明所で聞いて、その後会計。
これも結構待たされました。
支払いは80円。
全てが終ると5時前になっていました。
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貴志邦三さん

2023-04-11 09:10:38 | 
今朝の神戸新聞阪神版に貴志邦三さんの詩碑のことが載っています。
←二段階クリック。
うれしいですねえ、あの詩碑が新しくなったとのこと。
時々あの場所は通りますが、読めなくなっていたので残念に思っていたのです。
今度行ったらちゃんと見てみよう。
その詩碑のこと、「兵庫県現代詩協会」の会報11号(2002年6月)に森本敏子さんが書いておられます。

「詩碑探訪」シリーズの第3回目。
森本さんはもうお亡くなりになっていますが、生前の貴志邦三に師事したことがおありだった。

貴志邦三といえば、この記事の「春の唄」が有名で、わたしも昔口遊んだことがありました。
でも実は昭和12年の作だったのですね。
もう一つ、踊り子」という歌は三浦浩一で戦後に流行しました。いまでも一番の歌詞は覚えていて歌えます。

ついでにちょっと。その森本さんの記事と並んでわたしが書いたものも載っています。「かなしき詩人」と題して夙川の八木重一の詩碑のことを。
我ながらいいこと書いてます。あの頃はよく編集部から原稿依頼を受けたものでした。

貴志邦三さんについては、『柵』という詩誌に邦三さんのご子息、貴志房雄さんの講演録「父・邦三の肖像」が載っています。
2005年の7月号と8月号。



この講演はわたしも会場で聞きましたが、貴重なものだったと思います。

それから、宮崎翁の遺品の中にあった邦三の書簡。



宮崎翁は交流がおありだったようですが、わたしは詳しくお聞きしたことがありませんでした。
なので拙著『触媒のうた』にも取り上げておりません。ちょっと残念でした。

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「うんま~」

2023-04-11 07:11:43 | 新聞記事
昨日の神戸新聞夕刊「イイミミ」を読んで、我が意を得たりの思いがした。



最近、うちでも妻に話していたところだった。
若い女性リポーターが例外なく食レポで「うんま~」と言うことに違和感を持っていた。
おいしさを強調する意味だと思うが、すべてのリポーターが言うようになっては、強調の意味はないように思う。違和感だけ。
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「いつの日か重宝」

2023-04-10 10:05:46 | 宮崎修二朗翁
原稿を書き始めたのだが、「もっとなにか」と思って出してきた宮崎修二朗本5冊。



このうち2冊はわたしが古書店で入手したものだが、3冊は宮崎翁から戴いたもの。
そのどれにも翁の署名がある。
先ず、「環状彷徨」。


宮崎翁らしい個性的な字です。

これは『ひょうご四季のうた』。

「髪が少なくなって」とか「辛くちでたのんます」とか書かれているが、これはうちの店でウイスキーなど飲まれて上機嫌の時のもの。

そして『ひょうご歌ごよみ』。

「いつの日か重宝していただけることを恃んで。」とあります。
この本はもう一冊所持していて、それはわたしが神戸の書店で購入したもの。
それにも署名してもらっています。

で、今日調べていて役に立ったのが、この『ひょうご歌ごよみ』でした。
求めていたものが見つかりました。原稿を書くことが出来ます。
重宝させてもらっています。

『触媒のうた』 宮崎修二朗翁の貴重な文学秘話が満載。
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山下栄市さんの絵

2023-04-09 10:32:31 | 宮崎修二朗翁
先日、山下栄市さんの挿絵のことを「山下栄市さん」と題して取り上げました。
関連することを調べてみました。
あの宮崎修二朗翁の「文学の小道」という連載について。
「文学の小道」は西宮に関する文芸作品を取り上げて解説するもの。
宮崎翁の人間味あふれる解説が素晴らしかったのです。
第一回が田辺聖子さんで1983年5月号でした。
そして最終回が1986年4月号。33回をもって終了しています。
そのいずれもに山下栄市さんの挿絵が載っています。





さすが、宮崎翁が指名した人です、どれもがいい絵なんです。
そのバックナンバーをわたし、すべて持っています。
一度捨てかけたのですが、残していました。
この33回分、コピーして一冊にしたいと、今回思いました。
宮崎翁しか知らなかったことも書かれていて、西宮にとっても素晴らしい遺産になると思うのです。
但し、「宮っ子」のHPからすべて見ることはできます。


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月の子忌

2023-04-08 09:02:13 | 時実新子さん
今朝の神戸新聞「日々小論」欄に時実新子さんのことが。
記事拝借お許しを。
←クリック。

<命より少うし長く銅鑼は鳴る>で始まる小論。
論説委員の平松正子さんが書いておられて、さすがに見事にまとめておられる。

新子さんは川柳界の与謝野晶子と呼ばれた人だが、エッセイの名手でもあった。
お亡くなりになってもう16年にもなるのか。
わたしのことを「ペンフレンド」と呼んでくださっていて、いただいた書簡は大切に置いてある。
強烈な個性の人というイメージが世間にはあるが、わたしが戴いた手紙やハガキは、優しいものが多かった。


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山下栄市さん

2023-04-07 16:04:37 | 宮崎修二朗翁

短歌誌「六甲」4月号を読んでいて、「あっ」と思った。 
こんな記事があった。余った隙間を埋めるように。


山本武雄さんの歌集『朴の花』より5首が紹介されているのだが、
《題字 富田砕花・装画 山下栄市・素描 竹中郁》とある。
富田砕花、竹中郁は有名だが、山下栄市はなじみがない。
しかしわたしが「あっ」と思ったのはこの山下栄市さん。
思い出したのだ。
38年もの昔、宮崎修二朗先生が昭和60年(1985年)の『宮っ子』全市版にわたしを大きくと取り上げてくださった。
「文学の小道」のページ。右ページ 左ページ
その時の挿絵が山下栄市さんだった。



わたしの作品「川」をイメージして描いてくださっている。
懐かしくて、「山下栄市」をグーグル検索してみたが出てこない。
どんな画家さんだったのだろう。宮崎先生にはもう聞くことができない。
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fumiと

2023-04-06 19:10:37 | 
昨日からfumi新四年生が一泊。
少し遊びました。
将棋やオセロで。
大きくなったと思いましたが、背中はまだ小さい。
わたしの手が大きいのか。

睫毛の長い子です。

今日、大阪へ送って行きましたが、その直前に「六甲」4月号が届きました。
fumiに一冊手渡し、「fumiのことが載ってるよ」と言って、その箇所を示すと
「ホンマや」と嬉しそう。
わたしのエッセイに登場しているのです。←二段階クリック。
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『えっちゃんの夏』

2023-04-04 10:59:07 | 本・雑誌
芦屋の詩人、山下徹さんからお送りいただいた『えっちゃんの夏』(芦屋芸術刊・1500円)を昨日読んだ。



少し前に届いていたのだが、ほかに読む本があったのでページを開くのが昨日になってしまった。
「えっちゃん」とは著者の夫人だった人。
9年前に末期のすい臓がんと診断され、あっというまに旅立たれた。

わたしも徹さん共々知る人だった。
初めてお会いしたのはおそらく30~40年ほど前。
わたしが参加していた「春風将棋グループ」(春風公民館)にご夫妻で参加してこられたのだった。
徹さんが詩を書いておられたのも知った。
そのころたしか、青木はるみさんの教室に出入りしておられたかと思う。
わたしはお二人と仲良くなり、米の得意先にもなってくださった。
その後、春風将棋グループとは離れたが、損害保険業を営むお二人とのお付き合いは続いた。
保険の更新時にはご夫妻で「喫茶・輪」に来店され、食事をしコーヒーと会話を楽しまれた。
保険は今もお世話になっている。

悦子さんが亡くなられたことを聞いてわたしも吃驚したのだった。
あんなに元気に、お二人で仲良く来てくださっていたのにと。

読み始めると一気だった。
ぐいぐいと引き込まれ、約170ページの本を遅読のわたしが一日で読み終えた。
前半で病気との戦いが描かれ、後半は徹さんの心情を交え、時をさかのぼり、出会いのころからのことも書かれていて、お二人の人間性がよくわかる。
そして悦子さん亡き後の徹さんの心の動き、生活の変化。
それをさらけ出すように書いておられる。

徹さんは、悦子さんを亡くした後、すでに何冊もの関連本を出しておられ、わたしも読ませていただき、
その度ごとに感動を受けた。
しかし、今回の本には大きな衝撃を受けた。
これまでのものとは大いに違う。
徹さんが心の内をさらけ出しておられるのだ。
彼にとってのマイナス面も、一般には恥ずかしいと思われることも包み隠さずさらけ出して書かれているのだ。
これは凄い、と思いながら読ませていただいた。
しかし、読み終えて、悦子さんも徹さんも充実した人生を送られて、幸せだったんだと思った。
だれもが経験したくても(したくないともいえる)できないような経験をしてこられたのだ。
読み終えてみて、それが大いに救いになっている。
読ませて頂いてありがとうございます。
改めて、「悦子さん、安らかに」とご冥福をお祈りいたします。
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安水稔和先生の晩年

2023-04-03 17:18:35 | 安水稔和先生
編集工房ノアさんから『海鳴り』35が贈られました。



先ず巻頭の杉山平一氏の詩「約束」です。


他の人のものは後ほどゆっくりと楽しませてもらうことにして、
巻末の涸沢純平さんの「ことばの詩人」―安水稔和さんの三十四冊ー。
8ページにわたって、安水先生のことが書かれていますが、その最後の部分を上げます。
←クリック。

このなかにこんなことが書かれています。
《2022年7月、安水さんに例年贈っている中元の「桃」が、不在で生ものであることもあって、返って来た。
(略)
神田さんからは翌日も電話があり、夫婦で老人施設に入っていたことなど、》

え?と思いました。そうだったのか、と。
わたしはその前年、9月10日に先生のお宅に電話し、先生と話している。その時のブログ
先生は耳は遠くなっておられたが、一応話はできた。そして奥様はお元気だった。
なのに、それから一年もせずに施設に入っておられたのか。
涸沢さんはこう書いておられる。
《安水さんの2022年8月16日の死去は、なぜ知らされなかったか。「葬儀は近親者で営んだ」にしろ、と思わないでもない。》 
わたしが察するに、施設に入っておられたということで、お近づきの人がおられなかたっということでしょう。ご子息などの肉親からは新聞社などへの連絡ははばかられたのでしょう。
わたしは宮崎修二朗翁の死去を新聞社に知らせましたが、そのような人がいなかったということなのでしょう。
少し淋しい気がしますが。
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近鉄バッファローズ応援歌

2023-04-03 08:55:42 | 
今朝の神戸新聞読者文芸欄、詩の部。

新聞投稿欄特有の情感あふれる生活詩が並んでいます。
入選一作目「まちがいでんわ」(仲山初美作)に「近鉄バッファローズの応援歌」が出て来ます。
これの作詞者は神戸の詩人、竹中郁さんです。
いいうたで、わたしも好きな歌詞です。
「詩に導かれ」(村上つた子作)にも親しい詩人の名、杉山平一さん、安水稔和さんが出て来ます。
いいですね。
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