ZWIFTで NTTサイクリング主催のイベントがあった
入部さんと走れるかと思って参加したが
さすがに深夜1時スタートのイベントでは走っていなかった(笑)
なんの制約もない 自由に走るだけのイベントだったが
周りに参加者がいるだけで けっこう走れるものだ
最初は1時間200Wで漕げれば御の字と思っていたが
周りが飛ばすので ついつい強度を上げてしまい
結局ラスト40分間は250Wをキープした
あと半分 あと20分 あと15分・・・
頭の中で ひたすら残り時間をアナウンスし続ける(笑)
メンタル的にモーレツにきつかったが やり遂げた
普段なら ローラーで1時間強度を保つことなんて絶対にできない
世界中のサイクリストが
同じ目標に向かっている
その感覚が 自分を支えてくれたのだと思う
さて 今日は神田山陽さんと行ったインドネシアでの話をひとつ
行ったのはスラウェシ島
カペルミュールのライオンのマークのような形の島
人生初の潜水撮影にもチャレンジしたが
番組ではほとんど使わなかった
ボンベなしだったので 息が続かなかったこともあるけど
珊瑚礁が温暖化のために白化していて 美しくなかったためだ
温暖化で珊瑚礁が死につつある という話も
番組に入れたかったけれど どうしても入らなかった
50分という短い時間でパッケージするには
ワンテーマで貫くのが大事
いろんな話がコテコテに入ってしまうと どれも頭に残らなくなってしまう
世界中を旅して
人々の表情がいちばん明るかったのが スラウェシ島だ
まるで毎日がお祭りのようだった
かと言って ただのノー天気ではなく
真剣な時は真剣になれるし
知識欲も大きい
とにかく超がつくほど前向きで
後ろを振り返って くよくよする時間は無さそうだった
自転車で旅をしている と言ったら
ほとんどの人に驚かれた
自転車は 仕事で使うものであり
レジャーに使うものではないのだ
趣味を持つことは 豊かなことだと思って生きてきたが
そんな贅沢な生活を謳歌していることに かすかな疑問を感じたのだった
スラウェシ島そものもが秘境なのだが
その島の中でも僻地にある漁村に立ち寄った
おっちゃんが 我々の前にやってきては
何度も変なポーズをした
意味がわからないので ニコニコ見ていると
こちらを指差して笑う
なんのポーズをしているのかと聞くと
猿のポーズだという
この辺に猿でもいるのかと問うと
自分を指差して 自分こそが猿だという
キョトンとしていると
おっちゃんはこう語り始めた
外国人からすれば 自分たちは猿のようなものだろう
貧乏だし 学問もない
どうせ俺たちは バカにされるのさ と
そんなこと思ってもいない
明るくて 生きる力に満ち溢れているあなたたちを
尊敬しているのだと話したら
我々の来訪を認めてくれたらしい
漁に連れて行ってもらえることになった
小さなモーターを取り付けた原始的な船
入れるガソリンは 必要最低限だけ
先ほどまで ゲラゲラ笑い合っていた村人たちの目つきが変わる
村人たちにとって ガソリンは恐ろしく高価なものであり
絶対に無駄にしないという決意が伝わってくる
先頭に 魚群を探す指揮者がいて
水面の小波を見分けては 船をそちらへ向かわせ
魚群がいると思しき場所に 石を投げる
船の男たちは そこに狙い定めて 網を投げ続ける
男たちは 真剣なあまり
下がっていくズボンを上げることも忘れているようだ(笑)
1時間ほど 水上の格闘は続いた
しかし残念ながら 魚は1匹も捕まらなかった
そしてガソリンがなくなり 船は村へと戻って行った
船から上がると
先ほどの 猿のポーズをしていたおっちゃんがうなだれていた
私は お礼を言って
ガソリン代にいくらかのお金を渡そうとしたが
受け取ってくれなかった
魚はとれなかったが とてもエキサイティングだった
素晴らしい技術を見せてもらった
それに我々がいなければ 魚はとれたと思う
そう言ったら ようやく納得して
お金を受け取ってくれた
実際 カメラが回っていると不漁になることが多い
なぜなら撮られていると 良いところを見せようとしたり
早く魚をつかまえたいと焦ったりするために
感覚が狂うのだと思う
不漁で意気消沈する村人たちだったが
我々が乗ってない方の船が 大漁で戻って来ると
村は再び沸き返った
とれた魚は 平等に村人たちで分け合う
魚の山は まるでダイヤの輝きのようだった
いつかまた再訪したい場所がいくつかあるが
あの村はその一つ
次はカメラを持たずに行って 漁に連れて行ってもらおう