自転車ひとり旅★

自転車大好きなTVディレクター日記。

トルコのホドゥル村。

2020年04月15日 17時14分26秒 | おしごと日記



今日も自転車通勤です



以前 フランスのプロチームを取材した時に
毎朝5時から練習に出かける私を チームのGM(ゼネラルマネージャー)が見ていたらしく
大変喜んでくれて ジャージをプレゼントしてくれた


全身ブルーで 私にはちょっと派手なのだが
仕事でジャージをもらったことなんて ほとんどなかったので
嬉しくて たまに着ている


このジャージを着ると 選手になった気分になって
どうしても追い込んでしまう(笑)

今日も 代々木公園の坂と 表参道の坂で
30秒700Wを2本
あとは1分400Wを何本か
信号待ちでハアハア言ってたら
若い女性がスッと離れて行った(笑)



考えると 自転車競技って
ものすごく辛いスポーツですね
ひたすら追い込まないと 強くならない


追い込まずとも強くなれるような
才能だけでやっていけるスポーツって ないのかしら





さて 今日も世界の写真をご覧いただこうと思います





今日は 訳あって
トルコのホドゥルという村をご紹介します



たぶん 世界の辺境マニアでも知らないと思う
なぜなら 本当に何にもない上に
この村に行こうと思わないと行けないぐらい
不便な場所にあるから





確か村人は100人ほどだったと思う
ほとんどが牧畜と農業を営んでいる




村のお店はチャイハナ(喫茶店)1軒のみ
毎日同じ顔ぶれが チャイを飲みに集まり
とりとめのない話をしていく
そのチャイハナに 初めてやってきた外国人だと言われた


チャイハナに入ると 女の子たちがワッと逃げていった
ムスリムの国だから 女の子は見られちゃいけないのだろうか


と思っていたら





しっかりメイクをして現れた(笑)








ぶらぶらしていたら
放牧されていたヤギたちが帰ってきた





そしてヤギの乳搾りが始まった


ヤギの首につけられたベルの音と
絞られた乳がバケツに溜まっていく音だけが響き渡る
まるで宗教画のようだった


1000年の時を超えて 今同じ風景を見ているような


いろんな国で いろんな宗教行事を見てきたけれど
そのどれよりも荘厳だった



まさか暗闇で撮影するとは思っていなかったので
照明を車に置いてきていた
たまたま農家のそばに 村で3つぐらいしかない街灯があって
なんとか撮影することができた






14歳の孫が 手伝いをしていた


手伝いなんてしたくないのだけれど
するのが当たり前なので 渋々従っている
という風情が 可愛らしかった



将来の夢を聞いたら
「とにかく学校で勉強したい」
と答えてくれた


学校へ行かねば 来年から
ヤギたちの世話を受け継ぐことになる






チャイハナで出会った村の男性が
「この村に日本人が来ることなんて二度とない
 ぜひ良い思い出を作っていって欲しい」
そういって 夕食をご馳走してくれた


出てきたのは 村でとれた小麦 松の実 鳥肉で作ったパスタと
自家製の「アイラン」という塩味ヨーグルト

「もっと豪華なご馳走をお出ししたかった
 でも お急ぎだと思ったので 簡単なものにしました」

その心遣いが ありがたくて
今でも村のことを思い出す





さて なぜ今日の話題をホドゥル村にしたかというと
本来なら 今日はツアー・オブ・ターキーの取材で
トルコにいるはずだったから


トルコを一周するステージレースで
今日あたり この村の近くを通るはずだった
なんとか時間を作って
「二度と日本人が来ない村」を もう一度訪ねて
あの時のお礼を言いたかったが
叶わなかった



次のチャンスは訪れるのだろうか……