地理の部屋と佐渡島

2009年4月よりの佐渡単身赴任があけ、2014年4月より長岡へ。別れが絆をより深めた。今後ともよろしくお願いします。

10.23新潟県中越地震100「降雪期の震災だったら?」

2005年01月13日 20時01分47秒 | 新潟県中越地震
除雪作業に日々追われながらも、震災が降雪期でなかったことに安堵。

 早いもので、10.23新潟県中越地震の報告が今回で100号となった。あれからだいたい2月半たっているが、本格的な雪の季節を迎えた今、つくづく震災発生が降雪期でなかった幸運を感じる。

 さて、地震を経験したものとしては、本格的な雪の季節を迎えた今になって、色々考えることがある。地震という災害そのものに対する備え。そして、震災発生時後にとるべき行動等である。
 さらには、その発生のタイミング(季節等)も問題となるし、震災発生が季節でどのようになるのかまで考慮に入れると、考えておくこと・備えておくことの内容は実に多岐にわたる。

 自治体においては、防災という観点から、絶えず考え得る備えをお願いしたいところであるが、一方で各個人・家庭においても最低限の備えをしていなければならない。自助は必ず必要となる。

 ここ二・三日の降雪は、重く湿った雪であった。長岡市でも屋根には約50Cm位は雪が積もっている。山間部にあっては長岡市内といえども、その量はさらに増える。震災発生の時期が最悪のケースとなるのは、当地にあっては積雪量の最大期であると予測する。以下で最悪期を想定した状況を思いつくまま述べてみる。

 雪は一見すると軽そうに見えるが、実は大変重い。軽い雪もあるが重い雪もある。降っては融けかけ、またその後降る、そんな場合は大した量に見えなくても実に重い雪となる。

 重くなった雪を、雪下ろしの必要ありと考える量までのせた状態になっている時、今回のような地震となると大変だ。数多くの家がつぶれたり、屋根が抜け落ちる可能性がある。一方、山間部においては、屋根の雪だけではなく、雪崩による被害も想定される。今回の震災から考えると、崖(土台部分ということも..。)の崩落と雪崩がセットになるわけだ。

 つぎに、積雪量の最大期はまちがいなく各家庭で暖房器具を使っているということだ。今回のように夕方ともなれば炊事の火と暖房の火だ。火災発生の危険はさらに増したに違いない。震災に火災はつきものだ。

 道路やライフラインについても事態は深刻になると想像する。除雪が必要な時期に道路が破壊されれば、除雪ができない。除雪ができなければ、支援車両が現地に入ることは困難になる。わずかに使える道路があったとしても、復旧作業の車両と物資搬入の車両が集中。交通は完全にマヒ。各種の復旧作業場所そのものが路上、道路沿いということもある。

 避難場所についても心配だ。破壊した家を追い出された人々の多くが、不安な日々をしばらく車中で過した。しかし、その車の置き場は、積雪期には雪のために確保が難しくなる。ガソリンが絶えたらいかに補給するかも考えねば..。テントで一時しのぎをするには厳しい冬はあまりにも過酷。

 等々、考えるときりがない。自分の地域の防災を考える場合は、まず最悪のシナリオを想定してみるのが必要と思う。日本海側はだいたい積雪期。西日本等台風の通り道にある地域は、その頻度の高い時期などか..。要は、最も起こって欲しくない時に地震が発生したらどうするかということである。

 100号を記念してというわけではないが、ちょうど雪に苦しめられた日々であったので、この厳しい時に地震があったらと考えてしまった。妻も通勤時などに、道路脇にある雪の壁を見るたびに、今じゃなくて良かったと思っていたという。子供に今だったら何がいるかとたずねたら、スコップといわれた。まさに、積雪地域にあっては車が無くても必需品だ。皆さんの地域の場合はいかがであろうか。地震発生の最も困る季節はいつであろうか...。そして、その時にまず必要となるものには何があるだろうか。自治体にも備えが欲しいが、我々にも備えは必要である。

2005.1.13 PM10:25 訂正後更新

 

 


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