神社の境内にやっとたどり着いた。わずかばかりの境内の平坦地にはあちこちブルーシートが敷かれている。この様な光景はよく見かける。つまり、地表にできた亀裂に雨水が入らぬよう覆いをするためのものだ。ここでも斜面に向かい平行に幾筋もの亀裂が入っている。手を施さねば地滑りが起きかねない状態だ。
手前の白い箱とそこから伸びる塩ビのパイプ。パイプの中にはワイヤーが通っている。どうも、地が動くと白い箱の中にあるスイッチが入るようなしくみになっているのだろう、よく考えられている。斜面下には一般家屋もあるので備えは必要だ。
さて、本殿に目を移してみると、社の名がしるされた板がある。写真では不鮮明で読み取れぬが、諏訪神社(左側)、守門神社(右側)と併記されている。
本殿脇から写した写真。大きな欅の根本は少し崩れ始めている。心なしか木が傾いて見えるのはそのせいである。まだ、老木とか巨木と言える域までは達していないが、決して小さくもない。大杉が無くなった今となっては、大切に保存すべきであろう。
本殿裏手に回ってみた。社務所と言うには粗末。たぶん物置であろう。木造の古い小屋はやや傾いている。この付近でも地表に亀裂が走っており、安心はできない。
神社裏へと通じていた舗装路。何も崩れた斜面を登ることもなかった。この後、この舗装路を下って元の場所に戻った。道の脇には所々立派なウドが生えており、思わずポキッとしたいところであったが、不謹慎はいけないと我慢をとおした。
以上、一挙に境内の様子を伝えてきた。小さな山里の大切な神社。震災の被害でもなければ、特に目にもとまらぬ神社であったかも知れない。平凡が震災によって非凡になった時に目にとまろうとは...。残念でならない。