気候上の極限を語るとすると、ポイントは幾つかある。気温の高低と降水量の多少である。酷暑と厳寒、極多湿と極乾燥と言えばよいか。
理科年表2003年版には、日本を除き世界204の観測地点のデータが載っている。その中にあって、降水量の多い地点・世界最多雨地点と言えばチェラプンジだ。1万mm超の年間総降水量のデータは他の多雨地域のそれから見ると群を抜いている。
インドのメガラヤ州はベンガル湾奥、背後にヒマラヤ山脈とパトカイ山脈に囲まれた丘陵上にある。チェラプンジはその南側斜面に位置する高原の町。年間を通じての平均気温17.3℃は宮崎市とちょうど同じ程度。だが10000mm超の年間総降水量は尾鷲の3992.4mmの2.5倍の数値。7月の2982.1mmの数値は新潟県高田測候所の年間総降水量2779.0mmをも超えている。暴力的な降水とでも言おうか、かの地の7月は毎日100mmの雨が降っている計算となる。
梅雨前線の活動が中緯度高圧帯(太平洋高気圧)の北上によりおさまり、本格的夏を迎える日本に対し、チェラプンジの7月は我々の想像を超える雨の季節を送っている。ちなみに月別降水量で、5月から9月までが1000mm超であるから、まだまだ雨の季節は続くチェラプンジである。
ハイサーグラフを作るにあたって、この極端な数値を持つ地点の作図は楽しいものである。他の観測地点と同じ規格で作ったら横がとてつもなく長いハイサーグラフとなってしまう。すでに紹介した他のものとX軸(降水量)の位取りを比較していただきたい。
表題は違うが、国内外の気象極大値の確認は下記のサイトでできる。もちろんチェラプンジの数値もでている。
http://homepage3.nifty.com/hirotta/meteorology_1.htm#jprecord
http://www2.u-netsurf.ne.jp/~hulk/newpage31.htm
http://www.teikokushoin.co.jp/01_geo/faq4.html
▼雨の降り方について(かなり学術的)
http://qube.agr.yamaguchi-u.ac.jp/~yamamoto/tenki5.htm
いや、詳しいですね。。。
驚きました。
デリーに住んでいながら
チェラブンジの存在さえ
ちっとも知りませんでした。
勉強になります。
コメントありがとうございます。
もしや、このコメントもバンコ
クからのものでしょうか?
とすると、そこそこの雨季であ
ると..。
バンコクの月別降水パターンは
コロンボのそれにやや似ていま
す。9月に最多雨月となるよう
です。
>いや、詳しいですね。。。
恐縮です。
世界各地の気候についてを、
理科年表でかいま見るのはある
意味趣味の世界でした。