地理の部屋と佐渡島

2009年4月よりの佐渡単身赴任があけ、2014年4月より長岡へ。別れが絆をより深めた。今後ともよろしくお願いします。

10.23新潟県中越地震161 「芋川沿いの竜光地区」

2005年09月10日 06時48分45秒 | 新潟県中越地震
 魚沼市(旧堀之内町)竜光地区についての紹介はすでに二度お伝えしている。しかし、今までその核心部分(つまり地区内)を紹介することはなかった。

 久しぶりに被災地情報を掲載したら、皆さんの反応を頂き心強いものを感じた。すっかり佐渡記事だけになっていた記事掲載だが、被災地情報をお伝えせねばとの思いにさせていただいた。前日に続いて本日も被災地の写真を紹介する。

 芋川は先の震災で流域に数多くの土砂崩れが発生した川である。その流れは上流部で旧山古志村に至る。その旧山古志村域内では水没集落が出て大きな話題となったが、一方で崩れた土砂が川を堰き止め、下流に位置する竜光地区には大きな不安を与えることとなった。

 震災による土砂崩れは、結果として川に大量の土砂を供給することとなる。この土砂がその都度流しきられてしまえば問題ないが、必ずどこかで堆積してしまう。特に流れが急に緩やかになるような場所で顕著だ。

 芋川の場合は河岸に土嚢を積んで保護しているとはいえ、河床が上がるのであるから、心配はつきない。やがてそれらを取り除くなどの抜本的改修を要する。堤防ののり面も揺られて弱っているので、急務な復旧対象であろう。写真のような応急処置では事は済むまい。

 紹介の現場は河床の上昇が顕著とは言えないが、あちこち心配な場所があった。考えてみると、自分の家の近く(長岡市内)にある栖吉川は河床が上昇したように思われる。これからも雨が降るたびに、流れ出る土砂の心配をする川はあちこちにある。困ったものだ。

【扇状地と天井川】
 山間部から河川が平野部に流れ出るところは、流れが急に緩やかになる。山間部で供給される土砂がある場合は、水流に運ばれてくる土砂の一部はそこに一旦堆積することとなる。こうして山間部と平野部の境界付近には扇状地という地形ができるが、土砂供給の活発な川はえてして天井川という防災上やっかいな川になる。河床が周囲と同じ・あるいは高くなるからだ。がっちりと護岸工事がされていたとしても、ひとたび水があふれ出すと大変な事態を招く川となる。地形的には今や珍しいが、それでも地形図で見てもそれとわかる川が日本各地にある。琵琶湖岸(百瀬川扇状地)や養老山地山麓(小倉谷)のものなどはよく知られている。


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