地理の部屋と佐渡島

2009年4月よりの佐渡単身赴任があけ、2014年4月より長岡へ。別れが絆をより深めた。今後ともよろしくお願いします。

10.23新潟県中越地震37「養鯉業者にとっては?」

2004年11月17日 20時53分09秒 | 新潟県中越地震
 今日は朝から川口町が余震の沈静化から、避難勧告が解除になったというニュースがたびたび聞かれた。一方、長岡市は山間部の太田地区・蓬平地区・竹之高地地区の3地区について、蓬平地区のみ勧告解除の方針を発表した。(山古志村に関しては何の変化もない。)

 山古志村を中心として長岡市東部の丘陵地帯はかなりの豪雪地帯であるが、棚田の広がる風景と共に、錦鯉の養殖池もずいぶん多い。その世界では全国的、いや世界的にも知られているであろう。

 以前、小千谷市塩谷地区の養鯉業者に冬の豪雪が大変ですねと言ったことがある。ところが、業者の立場からするとそうでもなく、2~3mの積雪を欲しいという。山間部の水の得にくいこの地では、春に池を作る時の水を得るために、冬季の降雪が欠かせぬと言うのである。

 今回の被災で、この地区の養鯉業界は壊滅的打撃を受けた。来年の生産は絶望的である。であるならば、せめて復旧のため、また避難指示が解けない地区のために暖冬を祈るところである。山古志、竹之高地、太田、各村・地区は、場合によっては降り積もる雪に手を付けられぬまま冬を越さねばならないかもしれないからである。

錦鯉養殖業者との交流の記憶から
 以前交流のあった小千谷市塩谷地区の養鯉業者のお宅を初めて訪れたのは真冬のことであった。越冬用の温室にはたくさんの鯉がいた。温室の中にはそれこそいくつものいけす。そんな中に、特別少数の鯉だけしか入れていないいけすがあった。聞くと、種鯉だそうだ。値段は付くのかとか、高値が付いたら売る気はあるのかと下世話なことを聞いてみた。すると、値段はつけられぬし、売る気もないという。今回の震災で、これらの鯉はどうなったのであろうか..。
 種鯉や賞を取ったような鯉は素人が見ても美しいし、堂々としていて存在感がある。正確には伝えられないが、○○万円とか○○○万円という値が付く鯉もいるらしい。価格がどうのこうのといいたくないが、テレビや新聞で報道されていた無数の死んだ鯉。鯉だけでなく、生産者の事を思うと、そんな映像に心が痛んだものである。

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