▲写真① 崩れた農道を修復中
半蔵金地区の水田は震災によって大きな被害を受けた。現在、着実に田の修復が進んでいるようだが、心配なことがある。修復にかかる費用の負担である。この地は一級の山間部。高齢化も進んでいる地区にあって、修復にかかる費用を負担するだけの収入が確保されるのだろうかということ。田を守る高齢者の皆さんにその負担が重くのしかかっているのではと懸念する。棚田も山の自然環境の一つ。荒れ放題にしておくと土砂災害の危険性を残すことになる。であるがゆえ、ある程度の修復が必要であることは間違いないのだが...。
▲写真② すでに修復済みの田
10月23日に節目の一年を迎えたばかりだが、次なる復興へのスタートととりたい。今度は環境を取り戻すことと生活の再建へだ。都会に住まう人たちに言いたい。山と都会は無縁ではないと言うこと。
この地は間もなく冬を迎え、深い雪に覆われる。山の雪は天然のダム。その水の一滴が田や養鯉池を潤し、さらに付近の川に絶えることの無い水をもたらしている。おかげで新潟が水に困ることは滅多にない。一方、小千谷にはJR東日本の水力発電所が稼働している。聞くところによるとその電気が山手線を動かしているとのこと。山から出た水が現地を潤す一方で、都会の生活をも支えていたのだ。
早朝から信濃川本流で釣りを楽しんでいると、ちょうど通勤のピークに川の水量が上昇するのがわかることがある。雪深い越後の山々と都会とのつながりを感じる一時だ。
<写真撮影:2005.10.11> 2005年 地理の部屋と佐渡島