真野湾東海岸、国道350号を真野から小木に向かっていく途中、大須鼻というところがある。現場は今では廃墟のようになったコテージ村跡があるだけで、人気(ひとけ)はいっさい無い。このコテージ村の背後の崖にはっきりとした断層が見られる。写真ではわかりにくいかも知れないが、右側(東側)がせり上がるような逆断層となっている。「続・新潟のすぐれた自然-地形・地質編」では、国中南断層の北西へのたわみを示す撓曲崖の南東延長にあたるとある。
難しい話は抜きにして、現場に行くには徒歩で海岸づたいか、海岸段丘上から崖下へ降りる道を探さねばならない。どちらかというと海岸づたいにゴロタ浜(大きな角の取れた岩の浜)を歩くことを進める。
崖下への道は入り口はわかりづらく、しかも現在は使われていない藪のようになった道を行かねばならないからである。いずれにせよ、断層露頭に興味のある者、あるいはその手の研究を余儀なくされている学生には格好の教材である。人気もないので景色の良い海岸で心おきなくスケッチもできる。
写真撮影をしたこの日(2004.8.22)はとても天気が良く、汗をかきかき浜を歩いたが、そのかいは十分あった。海岸に飛び出した岩尾根先端の裏に回ったとたんにこの露頭が目に飛び込んできた。当面人の手がこの地にはいることはないであろうが、現状維持をのぞむところである。