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ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲

2016年02月24日 22時18分58秒 | 洋画2014年

 ◇ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(2014年 ハンガリー、ドイツ、スウェーデン 119分)

 原題 FEHÉR ISTEN

 監督 コーネル・ムンドルッツォ

 

 ◇犬の叛乱

 少女と犬の成長譚とかいう生易しいものではないのはわかっているんだけど、でも、やっぱり成長譚なんだろね、たぶん。

 離婚した父親のもとに引き取られて、いつまでも子供扱いされ、ちっとも一人前の人間として認められず、このまま行けば社会の中でも下層階級に追いやられ、いろんなところから置き去りにされてしまうような人生が待ち受けているんじゃないかっておもえる少女ジョーフィア・プショッタと、彼女が買っている雑種の話なんだけど、まあ、雑種からは税金を取るとかいうとんでもない法律が作られてしまう近未来の話ながら、ペットの人権を大切にしているヨーロッパだから出来たような話だ。

 結局のところ、ジョーフィア・プショッタと雑種犬とは、並行して同じような物語が語られる。棄てられたのは少女も犬もおんなじで、酒や麻薬に手を染めていっちゃう少女と、闘犬をさせられたことで獰猛になり保健所に収容されたことで人間を憎み始める犬とは、おたがいが再会できないながらもおんなじ道を歩んでる。こういうつくりは嫌いじゃないけど、ちょっとあざとい気もしないではない。

 とはいえ、徐々に変貌していく少女と犬の映像は凄いんだけどね。

 見ていておもいだすのは、鉄腕アトムの「赤い猫」と「青騎士」だ。動物の叛乱、ロボットの叛乱、どちらも人間の我儘や非情さや残酷さに嫌気がさして自分たちの楽園を築いていこうとする物語で、まあちょっとばかり近代史における革命的な雰囲気も漂ったりもするんだけど、たいがい叛乱を扱ったものはそういう側面を抱えているもので、それはこの映画にしても例外じゃない。

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