◎マーシャル・ロー(1998年 アメリカ 116分)
原題 The Siege
監督 エドワード・ズウィック
◎3年後を予見したようなNYのテロ
エドワード・ズウィックっていう人はアメリカ軍に対して決して信じ切らないという姿勢を貫いているように感じられる。ま、権力や軍力に対して懐疑的な姿勢をとるのは決しておかしなことじゃないし、盲信するよりも遙かに好ましい。で、ここでもそうなんだけど、ニューヨークで生起するテロへの対処が徐々に膨れ上がっていく怖さの元凶は、なにもアメリカ人がなかば本能的に恐れているイスラムにあるのではなく、軍隊を掌握することのできる将軍ブルース・ウィルスの姿勢というか心構えにあるって話を展開してる。
ただ、それを突き詰めていこうとするのがニューヨーク市警のデンゼル・ワシントンなわけで、決して軍人じゃない。権力というよりも、その一部に身を置きながらそれよりもニューヨークの一市民であるというのが前提になってる。これもまたエドワード・ズウィックの視点ってことだよね。
それにしても、この映画を初めて見たとき、アネット・ベニングがとっても知的で綺麗だな~っておもった。彼女はコンスタントに映画に出てて、徐々に好い年の取り方をしてる。そういうのっていいんだよね。