☆アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場(2016年 アメリカ 102分)
原題 Eye in the Sky
監督・出演 ギャヴィン・フッド
出演 ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、モニカ・ドラン、バーカッド・アブディ、フィービー・フォックス
☆アラン・リックマンの遺作
MQ-9 リーパー無人偵察攻撃機なんてものが現実に存在するようになってきた現代社会において、こういう本国の司令部からすべてを遠隔操作して戦争するという行為は決して未来のものではなくなってきてるんだな~っていう、そんな感想しか浮かんでこない。
おそらく、さほど遠くない将来、こうした戦争が起こり、いやもしかしたら現実にすでに起こってるかもしれない。COBRAことCabinet Office Briefing Room A(内閣府ブリーフィングルーム)でテロリスト相手の戦闘の方針が定められ、それにしたがって司令部内で指示が下され、ドローン・オペレーターがミサイルを発射する。すごい時代になったものだ。
でも、そのミサイルが民間人を巻き添えにする可能性は高く、この物語のようにアイシャ・タコウ演じる無垢なパン売りの少女が犠牲になることも充分に考えられる。正に今ケニア・ナイロビのテロリストの巣窟の塀の外でパンを売っている小さなひとつの命を救うべきか、あるいは後に犠牲になるであろう多数の命を救うために少女が巻き添えになるのを覚悟の上で攻撃を仕掛けるべきか。そのたびごとに、ヘレン・ミレンのようなロンドンで安全を担保された司令部内の指揮官は悩み苦しみ、それが結果的に方針に従って攻撃を指令しなければならない。たまらんね、これは。