◇ゴーストバスターズ(1984年 アメリカ 105分)
原題 Ghostbusters
監督 アイヴァン・ライトマン
出演 ビル・マーレイ、シガニー・ウィーバー、リック・モラニス、アニー・ポッツ、スラビトザ・ジャバン
◇マシュマロマン
結局のところ、この作品の最大の功労者はダン・エイクロイドとハロルド・ライミスのふたりなんだろうね。ふたりの脚本の秀逸さがなにより勝ってる感じがするわ。スラビトザ・ジャバンも忘れがたいけど。でもまあ、このあたりのヒット作についてはなにもあらすじをメモっておく必要もないし、実をいえば観直すこともあんまり必要ないかもしれない。ほんと、若い頃に観たものはなんでか知らないけどすみからすみまでよく憶えてるもんだわ。
で、どうでもいいことながら、ぼくの記憶ではマシュマロマンが現れるのはクリスマス商戦の真っ最中だったような気がする。っていうか、ずっとそうおもってた。ところがそうじゃなかった。この映画がアメリカで封切られたのは1984年の6月で、日本での公開は半年遅れの12月だった。この映画は今でもよく憶えてるけど、有楽町のマリオンの日本劇場で観た。で、数寄屋橋に出たとき、町はクリスマス一色だった。たぶん、ぼくはそのとき銀座のビル街の向こう側にマシュマロマンのまぼろしを観たんだろうね。
ところが、厚物のコートは羽織っているものの、季節感はほとんど感じられないっていうか排除されたような映画の中で、そのマシュマロマンや破壊神ゴーザことスラビトザ・ジャバンが登場する前、門の神ズールと鍵の神ビンツとかいう狛犬みたいなものを見上げる群衆の中に、たったひとり、サンタクロースの赤い帽子をかぶった女の人が映るんだよね。ていうことは、クリスマスに近い季節っていう暗黙の設定があったのかもしれないな。もしかしたら、だけど。
さらに気になって調べてみれば『ゴーストバスターズ』とクリスマスの関係は、 宣伝によるものだったってことがわかった。ネットで検索すると、ゴーストバスターズとクリスマスはまるで一対のようにヒットする。けど、1の日本公開が1984年12月2日。2の日本公開が1989年11月25日。2のゲーム発売が1990年12月26日。1&2のブルーレイ発売が2014年12月3日。どれもクリスマス商戦にひっかけて宣伝され、リメイクされた『ゴーストバスターズ2016』のDVD発売が 2016年12月21日。このDVDの「発売記念クリスマス・ フェイスツリー点灯式」が東京・としまえんで開催されたのが2016年12月16日。つまり、映画『ゴーストバスターズ』の中身とクリスマスは、いっさい、 みじんも関係ないのに、なんでか知らないけどクリスマスにつながってる。ということは、ぼくみたいに妙なおもいこみをしている人間(世界でも日本人だけだとおもうけど)は他にも少なからずいるかもしれないってことで、いやあ、宣伝っていうか、ネットって怖いね。