◇誘う女(1995年 アメリカ 106分)
原題/To Die For
監督/ガス・ヴァン・サント 音楽/ダニー・エルフマン
出演/ニコール・キッドマン マット・ディロン ホアキン・フェニックス ケイシー・アフレック
◇1990年、パメラ・スマート事件
ニコール・キッドマン、このころがいちばんきれいかもしれない。
土手の上の木に下でたちまんをするときの足まで綺麗だ。ま、この股間ぎりぎりのミニスカートから伸びてときどき組み替えたりする脚がいろいろと問題をひきおこすように演出されてるわけだけど、とにかく、鼻持ちならないコーマン女がマット・ディロンをひっかけて結婚して殺したかどうかという物語にはぴったりかもしれないね。
ただ、ガス・バンサントがうまいのはキッドマンの演じる色気まるだしファッキン・デンジャレス・ウーマンが実は綺麗なだけで自分のことを知的で優秀だと大きく勘違いしてそのせいで周りを辟易させてしまっていることに気がつかないほど哀れだというのを事細かく演出していることで、つまりは男にファックしたいとおもわれるだけの勘違い女がどんどん哀れになっていくように作られてる。
けど、この自己中女の点描だけで物語が成立するはずもなく、筋立てはマット・ディロンが殺されてキッドマンが逮捕されたところから始まるわけで、その事件に関係してる連中のアトランダムな事情聴取で構成せれてなかったからもたなかったかもしれないね。
あ、でも、この物語の元ネタになってる「パメラ・スマート」についてはよくわからないし、どれだけ事実に即して物語が構築されているのかもわからないんだけどさ。
とはいえ、結婚一周年の夜、天気予報中という絶対的なアリバイをつくり、グッナイハニーの挨拶で一連の仕業を終えるあたりはうまいね。ていうか終局、凍った川面を透かしてキッドマンの顔を観た瞬間、前に観たのをおもいだした。なんてこった。