◇フラットライナーズ(1990年 アメリカ 114分)
原題 Flatliners
監督 ジョエル・シュマッカー
出演 キーファー・サザーランド、ジュリア・ロバーツ、ケヴィン・ベーコン、ウィリアム・ボールドウィン
◇臨死体験
臨死体験をした人に話を聴いたことがある。
三途の川のほとりに立ってて水に入って渡ろうとしたんだけれど、あまりにも寒くて、それと後ろから自分を呼んでいる声を聞いたような気がして引き返したら目が覚めたと。で、三途の川、これってたぶん日本人に多いんだろうね。それからあと多いのは花畑だ。なんだろうね、花畑。
心臓が停止してもまだ脳内で血は流れてるわけだからそのときに観た画像が臨死体験ってことになるんだろう。そのとき、脳がどんな作用をするのかわからないんだけど、アルファ波っていうのか、それが流れる場合、とっても幸せな気分になるものだから、綺麗な風景を見ちゃうのかもしれない。でも、そうじゃないとき、たとえば不安や恐怖や後悔や悔悟がある場合、過去の記憶にまつわる悪夢のような映像体験をするのかもしれない。
で、この作品の場合は後者で、それぞれの登場人物たちは忌まわしい思い出を持っていて、それが不安の原因になってるものだから、臨死の際、それが追体験される。ところがむりやりに臨死体験をしてしまったものだから、精神のアンバランスが引き起こされて、悪夢がそのまま現実世界でも起こっているようにおもっちゃうんだけど、さてどうしようって話なんだが、そういうことからすれば、理屈を逸脱することのないおとなしい物語だったな。