◇ゴッホ 真実の手紙
生真面目ながらも偏執狂的な演技をさせれば天下一品のベネディクト・カンバーバッチならでは朗読劇だった。ただ、それ以上でもそれ以下でもないってところがなんだかね。アンドリュー・ハットンがどんな人かは知らないけど、可もなく不可もなしの手堅い演出だった。つまり、すべてが手堅く仕上がってた。
ちょっとどうもなあっておもえたのは、出演者たちが画面を通して視聴者に語りかけているところで、演出のひとつとしてはいいんだけれど、それが続いている一方で、登場人物たちがいっさい向き合わない。つまり台詞のやりとりがないわけで、なるほど、朗読劇に徹してるのねとはおもうだけど、なんともいえない物足りなさはそのあたりから醸し出されてるのかもしれないね。
ただまあ、カンバーバッチ、ゴッホによく似せてるわ。