◇アイリッシュマン
いくらなんでも210分は長すぎる。ジミー・ホッファを暗殺したと告白するフランク・シーランの回想記なんだけど、たしかに理詰めで丁寧に撮っていけばこれだけの長さになるのはわからないでもない。でも、やっぱり長い。脚本で調整するしか方法はないんだろうなあ、これは。
いや、そりゃ、たしかにラストの60分ちかく、つまり、ロバート・デ・ニーロがジョー・ペシに因果を含められてアル・パチーノを殺しに行くところで、もともとその瞬間のために、デ・ニーロ夫妻がペシ夫妻を連れて旅行に出ているところで回想が展開し、それでアリバイを作るようにして飛行機で単身デトロイトに飛んだデ・ニーロが、山荘に待っているアル・パチーノを撃ち殺すっていう段どりなんだけど、それはわかっているのにどうしようもない緊張感が60分つづく。このあたりの演出は、さすが、マーチン・スコセッシだ。
でもなあ、なんかだれるんだよね。要素が多すぎるのかもしれないけど、ひとつひとつのエピソードはどれも要るようにおもえちゃうしなあ。
それにしても、アメリカのトラックの組合ってのは、こんなにマフィアと連動してたんだろうか?だとしたら、いやまじ、アメリカってところは政治と経済は切り離せないんだね。ただ、なんていうか、フランク・シーランの回想ってのが印象の薄くなっちゃう要因のひとつなのかもしれないね。
なんにしても、長すぎたわ。