モノクロフィルムのデジタルデュープをしていたらこんな画像がでてきた。画像は、1997年6月に撮影した東京都港区元麻布だ。六本木の交差点から東京タワーが見える方向に歩き、ロアビルの角を曲がり、鳥居坂下を横断し、少し複雑な道をゆくとマンションで取り囲まれた窪地状の地形に、現代とか私達のイメージから取り残された空間にたどり着く。これでも一応六本木界隈だ。
Googleでもこの路地は撮りそびれるほどいまでもマイナーな空間だ。そのGoogleで上からみると住まいの多くが建て変わっており雰囲気も当時のものではないかもしれない。だからこうした風景は、もうみられない可能性が高い。だが居住環境としてみれば、ここはとても快適なのだろうと推測される。なにしろ周囲のマンションが風を遮るのだから台風の時でもここは静かだし、掃き清められた路地をみていると、コミュニティもしっかりしているのだろう。
1980年代後半から西麻布で仕事をしていたから会社の周囲は週末の散歩コースだった。散歩に疲れたら会社戻って珈琲をのみ、誰かのお菓子をつまむなど、仕事で忙しいということもあったから休日でも出社してくる社員がいて結構便利な会社だった。もちろん六本木界隈で遊ぶときの足がかりにもなっていたのだろう。六本木の界隈を歩き出すといろんな思惑と都合と欲望とがクロスする面白い街だった。
このブログでは東京の街はあまりアップさせていないが、大半はネガで撮影していたからだろう。現時点のWEB画像ではつまらないので、少し昔の東京の街でもアップさせよう。といっても東京は結構多様なのでエリアを絞りながら気が向いたらだけど。私が見た、そして棲んでいた東京というわけだ。
1997年東京都港区元麻布
MinoltaCLE,Leitz Elmarit28mm/F2.8,トライX