Creator's Blog,record of the Designer's thinking

毎月、おおよそドローイング&小説(上旬)、フィールド映像(中旬)、エッセイ(下旬)の3部構成で描き、撮り、書いてます。

番外編317. 鉄ちゃんに誘われて

2018年03月10日 | field work

 昨日は遅い朝食をつついていたら、突然緊急警報。地震はなかったし、京都だから火山もないし、津波は来ないし、そのほかどんな自然災害が起きたのだろうか。巨大隕石がやってきて地球の終わりか、それならもう警報なんかいらない。結局避難訓練だったのだが、なんでこんなときにやるんだよ、防災の日があるだろう。人を驚かせること、税金をとること、そしてサービスの悪い自治体である。

 ふと1990年代のフィルムネガがない事に気がつき書架を眺めていたら3冊あった。やはりとっておいたか。枚数にして5,000枚はあろうか。ラベルを見ると、筑波、六本木、横浜、名古屋の文字が目につく。またまたデジタル・デュープを始めなければならないのか。それも今度は雑用の合間にだ。まったくやれやれなことをみつけちゃった。

 さて昔の話に戻るが、鉄ちゃんに誘われているうちに露出計を用いたマニュアルの撮影機材の使い方を覚えたし、外の世界に関心を持つようになった。つまり出歩くことの意味や面白さを知ったわけだし、鉄道の背後にある建築やランドスケープへの関心の素地となっていった。そこから時刻表を用いて旅の仕方も身についてきたのだろう。

 さて八高線には重連がはしっているという情報を聞きつけ、鉄ちゃんに連れられて早朝から埼玉方面へでかけた。そんなわけで画像は狭山丘陵を走るD51の重連。重連とはいえ1台は回送だから煙など吐いていない。そもそも狭山丘陵は平坦地なのだ。北海道のC62の重連に調べれば大分見劣りするが、まあ一応重連を撮影したので金のない高校生は満足するほかない。

 SLは動力となる動輪の数でA,B,C,Dとタイプ分けされる。戦後の日本ではA,Bはさすがになく、CかDタイプが大半で、Cは動輪の直径が大きく早く走れるので客車用、Dは動輪が小さく4組ありパワーがあるので貨物用と分類されている。

 プロダクト的な見方をすると個人的には、ボイラーが大きく動輪が4組あるDタイプの機関車がいかにもSLらしく好感をもっている。画像は、1936年(昭和11年)から製造されているD51(デコイチ)だ。当時としては先進的だった電気溶接を用いたなど優れた設計だったために運用しやすく1,000台以上量産され軍需物資の輸送にあたったとWEBには記載されている。つまり名機だ。ニコンFみたいなものか。

 うん!、それにしても第二次世界大戦下で敵国の英文文字使用を規制したのに、機関車にアルファベットをつかっていたのかい?。和製なら、い、ろ、は、に、だろう。だからD51ではなく「に51」とか「は62」とか、いX・・とか。それじゃ帝国海軍の潜水艦みたいだ。

 そんなわけでC57などのちゃちなSLしかみてなかった者にとってD51は大きくて迫力があった。しかし貧乏高校生だから相変わらず撮影機材が一眼レフではないレンジファインダーのCanon6Lに標準レンズという寂しさだ。

 多分その頃からワンダーフォーゲル同好会で東京近郊の山歩きに没頭していたから、撮影機材にも関心が薄れていった。唯一記憶カメラだけが頭の中で働いていたわけだ。今でも夜中に登り、朝日さす山小屋のテラス風ベンチでお弁当をたべ、河口湖を見ながら下山してきた三つ峠のイメージ画像が記憶に残っている。

 

1968年八高線

Canon6L、50mm/F1.4,ネオパンSS

コメント
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