Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング726.小説:小樽の翠638.早春の北海道

2023年05月04日 | field work

 文さんの店で・・・
健さん「今日はお店が休みだから俺の山小屋にこないかい?。少し風は冷たいけど雪はないし春めいているよ!」
そんなわけで、文さんは健さんの軽トラで山の草原でお泊まりデートだ。
文「二人で出歩くなんて初めてよね!」
健さん「そうだったな。これまでどこもつれてゆかなかったし、俺の山小屋だけど住めるようにはなっているよ。人気はないから静かだよ。」
・・・
郊外に軽トラをはしらせると広々とした風景が北海道らしい。そんな広い空間の中を軽トラがトロトロと走り抜けてゆく。
文「わあ、こんな綺麗なところなの?」
健さん「これがいつもの景色だよ。文の所は都会だからなぁー。今までつれてこなかったなぁー」
文「私もお店があるからあまり外へ出たいとは思わなかった。高校の修学旅行以来かなぁー」
健さん「えっ、そんなに?。俺は彼方此方を歩いていたから旅するのが当たり前だった。お施主さんから呼ばれて、うちの牛や馬の面倒を見てくれとか・・・、いろんな事を頼まれたから、それで出歩いていたんだ。馬喰といっても、今は家畜の何でも屋だよ。丈夫な体だけが資本さ」
文「あっちも丈夫だよねぇー(*^▽^*)」
健さん「文は俺ので満足かい?」
文「もちろんよ。いつも壊されるぐらいに抱かれて満足しない女は、いないわ」
・・・
健さんの小さな山小屋は、室内に薪ストーブがまんなかにおかれ、壁に薪の山がある。それに大工道具や農作業やら馬の道具、それに牛の燻製をつくる道具なども置かれ、つまりは農家の小屋風だけど、古い木のぬくもりを感じる。居心地はよさそうだ。外の軒先には陽だまりのところに座の低い長椅子がある。
文「あら!、フキノトウが目をだしている。福寿草も咲いている
健さん「意外に春先を感じるだろう!!」
文「うん!、お店からお肉と魚をもってきた・・・」
健さん「ストーブで焼こうかな・・・、薪ストーブだから美味しいよ」
健さんの小屋の煙突から煙が上がり始めた。
・・・
早春の北海道である。
コメント
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