Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング733. 小説:小樽の翠645.幕間 パレットの話

2023年05月11日 | field work

 ブログ5月4日でアップさせたイラストの制作過程を映像化しました。
今日は画材の話を書いておこう。
 絵具をストックしておいたり、溶いたり、混色してりするパレットはクリエイションの大切なツールだ。
 小学校の授業・図画工作の時間に絵を描き終えたら、児童達は自分達のパレットを熱心に洗っていた記憶にある。しかしその先生が美大出身ならばパレットを洗いなさいとは言わないはずである。プロの画家ならば誰でも知っているが、バレットは洗わないのが原則。
 私の昔の知人の東京藝大出身の某先生は、水彩絵具を描き出してからもう何十年もパレットは洗わないという話を聞かされたことがある。バレットには低彩度の絵具が山盛りになって残されていたのである。これを洗ってしまえば微妙な色が出来なくなるからだ。画家によっては廃業ものである。
 パレットには絵具が複数に混ぜ合わさった結果、彩度の低い綺麗な色がパレット上に残る。それは、新たに絵具を混ぜて出来る色ではない。だからパレットは洗わないというのが原則だ。
 だから私も原則としてバレットは洗わない。しかし例外もある。洗わずに使い続けていると灰色の色ばかりになることがある。それも綺麗な色ではあるが、デザイン系の私としては発色が悪いので意を決して洗浄する場合がある。
 その後に描き始めた水彩画は、当然色が落ち着かないし、グレー系の絵具の色ばかりになってしまう。このブログでも3月1日の「青森のリュウ君の家へ」、3月2日の「ハコダテホンセン」と題するイラストがパレット洗浄後に描いたイラストだ。私の意図が反映される色が出るまで数回位は、こうした冴えないイラストが続く事になる。まあイラストだから許されるだろうと思っている。
 数回パレットを使うとようやく少しだけ意図した色が残されている。これから先が楽しみな色が出てくるかもしれない。バレットには、そんな面白さがある。

ドローイング5 HD 1080p
コメント
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