Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング734. 小説:小樽の翠646.幕間 人物画について

2023年05月12日 | field work





 例えば綺麗な衣装(以後コスチュームと呼ぶ)を着ている女性の姿は、よくモデル会のモチーフにされるが、衣服であるコスチュームを描きたかったのはわかるが、それが風船のように膨らんでいる絵画になっている。コスチュームには人体の一部が現れている。それら現れた断片を繋いでゆくと1つの人体になるとするリアリティが人物画には必要です。
 そのためには、人体デッサンの解剖学の勉強が必要になります。通例人体デッサンは裸体です。それはギリシャ彫刻ミロのビーナスの紀元前の時代から始まっている人間の美意識といえるかもしれません。
 人物画は最初に裸の人体を下書きとして描く。その上にコスチュームを描く。こうすることで人体が衣服をまとった人物画になる。
 フランスのドラクロワの絵画を思い起こして欲しい。この絵画のリアリティは、最初に人体のデッサンが的確に絵かがれているからです。実際ドラクロワは、多数の裸婦デッサンが残されている。
 あるいはレンブラントやダ・ビンチの「モナリザ」も同様でしょう。ダビンチは自ら解剖学を勉強したから人体も相当に勉強してきた。恐らく最初は裸体のモナリザを描いている(裸婦の下書きは残されていない)はずです。その上にコスチュームを被せており、それが今世界の注目を浴びている。
 従って西洋絵画、とりわけ人物画は最初に裸の人体を描く勉強が必要です。それをしてこないとコスチュームを描いても風船のような人物画になってしまいます。
 このブログでも人体をイラストに多様しています。このようなことはデッサンを学び美大出身の人間達ならば、みんな知っている事ですね。

出典:https://www.louvre.fr/en/what-s-on/exhibitions/delacroix-1798-1863
1)Eugène Delacroix, Liberty Leading the People-1830.
2)Bathsheba - Rembrandt - 1654.
3)Leonardo da Vinci :La Joconde-1506.
コメント
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