明治初期、現在の南小樽駅山側は明治政府が計画的に街を形成してきた。その拠点に郡役所及び納税事務所を洋風建築で建設した。学術論文では、史料にもとずいて建築図面を復元し3DCG化した。
郡役所の経緯を記しておく。
1880年(明治13年)小樽郡発足
1899年(明治32年)区政開始
1922年(大正11年)市政開始
1923年(昭和8年)現庁舎に移転(市指定歴史建造物)
従って郡役所は、明治13年に建設された洋風建築であり、設計図書はこの時代の復元である。
この史料は小樽市総合博物館、市立小樽図書館にある。
複数の史料をみるとすべて建物の絵が違うではないか。
おそらく町の発展に伴って急速に業務が増え増築していったのであろう。
場所は現在の南小樽駅山側、双葉高等学校の敷地である。
3DCG化に際し、何処まで復元するかは悩みどころである。というのも全てを復元すると過大なデータ量になる。とはいいつつも外壁の下見板張りと屋根瓦は3DCG化した。瓦の種類までは特定出来なかったが、明治期に使われていた瓦である。
やはりデータは重たかった。データファイル自体は3.5MBだが、その計算が膨大な量になるのだろう。だからプロセッサーの処理速度がものをいう。
その結果レンダリングに時間のかかること。
3DCGで何処が難しいかというと、入母屋屋根の瓦である。コーナー部分は約ものとよばれる屋根の形に合わせた瓦を別途つくる必要がある。それは瓦一枚毎にサイズと形状が違う。私はそんな面倒なことは省き、そのまま瓦屋根を配置し重なり合う部分は減算処理で制作した。これがまたデータ計算が増える元だ。データは日増しに重くなってくる。だがこの程度であればMacで処理できる。そんなCG建築を複数組み合わせて街全体のCGを制作し、レンダリングしたときやはりデータは重かった。
ゲームソフトでは、屋瓦なんかは画像データにしている。そりゃ格段にデータは軽いわさ。屋根上の戦闘シーンぐらいは、部分的に屋根瓦をリアルにつくったかもしれないが、それでも私の3DCGよりははるかに軽い。つまり映画美術のつくりかたと大差ない。
昔人口30万人の自治体の住民基本台帳の個人情報のダミーデータをつくりデータ量を測定した事がある。たしか30MB程度だった。それならUSBにダウンロードしても1秒とかからない。そんなデータはすでにこの法律が出来る以前に市中に流出しただろう。個人情報とは、その程度のものなんだ!。流出してから法律ができるという10年は遅れたデジタル政策によって、私達の個人情報はすでに世界中に流出済みですから、ご安心くださいというわけだ。だから振り込め詐欺が成立するというのは、その証左なのである。
だからいわんといて欲しいな。あらっ!、これ屋根瓦がつくられてないじゃんなんて・・・。そういう光景をみると私は文科系といって軽蔑している。
まじにつくるとデータが重くて泣かされるのです。