数回目の小樽のフィールドワークだ。今年は小樽シリーズの最初の論文を1本仕上げて、次の論文に取りかかる前に確認しておきたかった事があった。そして積丹半島美国へ足を伸ばした。だが以前のような興奮がない。なぜだろうか?。そうか温かい天気が続いていたので、雪が少なくなっていたのだ。だからもう春なのかと思わされた。だがそれは帰る頃に杞憂であった。
およそ雪がない雪国ほどつまらないことはない。残渣のような汚れた雪で道は覆われ、滑り止めなどがまかれ、雪の下に埋もれていた街の元型が姿をあらわすと、どこにでもあるただの地方都市だ。
だが小樽シリーズ1本目の論文を投稿し、次のシリーズを目論むにあたり確認しておきたかった事があった。それは小樽の街の中の地形である。この町はアップダウンが多い点では、函館や横浜と似ている。そればかりか高さ20mはある崖がいくつか街の中に存在している。だから坂の街小樽と言ってよい。
国土地理院の地形図では、街の中の等高線は、情報が錯綜するので略されている。こちらはせめて1m間隔で等高線を復元したい。ならば目視とビデオ撮影で確認しようというわけだ。そんな仕事をするのに、天気が良く、温かく、というのは街の中を歩く立場にとってはありがたいのだが、いかんせんモチべーションがあがらない。そもそも街全体が薄汚れているからだ。
まあいいか。確認すべき所は確認できたから。どうせ市役所に行っても、こちらが期待する等高線の古い図面はないからはしょる。
そんな仕事をしつつ、帰る日の朝雪が降り続いている。天気予報では、三日ぐらい続くようだ。しまった滞在日をもう一日増やせば良かった。すれ違いの小樽であるが、4月に刊行される論文集を小樽の図書館と博物館に贈呈するからこちらの役割は終わったも同然。目下の関心は次の小樽シリーズの論文、つまり詳細な等高線!。
Fieldwork893.小樽雪が少ない!、残念!!、春なのか!!! 4K
SONY FX30,E18-105mm/F4.0 OSS