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2006-11-23 晴れ 強風 気温2℃
この日は異常型オショロコマを撮影した後、さらにもう1本のオショロコマ未調査支流へ向かった。未調査というより未撮影の支流で、まだここの個体群を写真におさめていなかったのだ。この支流は、かっては斜里川水系随一の有名な好ヤマベ釣り場であった。その源流域にはオショロコマが無尽蔵にいた。この川の上流に開発局は一体何を思いたったのか、あろうことか巨大なダムを造った。ほとんどの一般人には知られることもなく深い山奥でやりたい放題の一大工事が行われ、いつのまにかこれでもかといった大きなダムが造られてしまった。付随した河川改修工事もそれこそ目一杯に行われた。その結果、あれほどいたヤマベはサクラマスの産卵場所を完全に奪われ、ほぼ壊滅、オショロコマも信じられないほどに激減してしまった。今現在、建設中止を叫ばれている無用の長物天塩川水系サンルダムが完成すれば、もっと悲惨な状況になることは明らかだ。その後、私は長らくこの渓流魚の消えた支流を訪れることとはなかった。
久しぶりのこの渓流沿いにはダム工事の恩恵??で、立派な林道や橋が整備され、ドーンとそびえる巨大ダムの下流域は竿を入れる気も起きない河川改修工事の行き届いた川になっていた。見た目はそれなりの川だが、すでにいったん完全に死んでしまった川だ。実はこの渓流の支流の一つに多少の自然度の高い水域が残っていて、今日はそこへ入渓してみた。川沿いのひどく荒れ果てた林道は夏場は草ぼうぼうと思われ、普通はヒグマと遭遇する可能性を恐れて、一般の人が入って行くことはまず無いと思われる。今日は草は枯れ木の葉は落ちて見通しが良い。
はたして、この支流の奧の奥には多少の渓流魚が残っていた。入念にさぐって、やっとオショロコマ12匹とヤマベ二年魚2匹を釣って撮影することができた。ひさしぶりのこの水系のオショロコマ成魚♂は美しかった。腹部がオレンジの個体群と、鮮やかな黄色の腹部の個体群の2系統がいる。しかし個体数はきわめて少ない。
とにかく寒くて寒くて閉口した。気温が低く、そのため古くなったデジカメのバッテリーの放電状態がとても不安定だ。フラッシュの光量が落ち、撮影がうまくゆかない。バッテリーを抜いて自分の肌につけて暖めるとまた10枚くらいは撮影可能になる。そんなことを繰り返しながら、だましだまし撮影した。晴れているが冷たい強風が吹き荒れて、あまりに寒く、バッテリーもついに全部放電しきってしまい、もはやこれまで。珍しく早めに武装解除してまだ明るいうちに北見にもどることにした。撮影したオショロコマたちは全て丁寧にリリースした。
F氏が巨大なサルノコシカケを採った。こんな大きなサルノコシカケを見たのは初めてだ。
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