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20XX年8月27日。
北海道に上陸するかに見えた台風は進路が大きくそれた。台風の直撃は免れて今日は見事に晴れて雨も止んでいる。午後、比較的近くにあるM川の支流にオショロコマを見に出かけた。人口12万、オホーツク随一の大?都市である北見市内とは思われない自然度の高い美しい渓流だ。
急な斜面を降りて川に降り100mほど釣り登り、オショロコマを撮影した。この渓流独特の淡い黄白色調のオショロコマがいる。赤点紋理は細かく淡いオレンジ色。♂腹部は黄色調に着色する。幼魚から成魚までいて良好な生息環境できわめて順調に世代交代を繰り返しているようだ。このオショロコマの写真を見ればこの渓流の個体群であることはすぐわかる。
オショロコマは撮影後、すべて丁寧に川に戻した。25cmほどのニジマスも4匹釣れたが本流からオショロコマ生息域に侵入してきたこまったニジマスたちだ。林道を下って本流との分岐が近づいた頃、かなり高齢のおじいちゃんが釣り竿とビニール袋を持って川からあがってきた。袋に良型オショロコマ10匹とニジマス15-20cmが5匹入っている。オショロコマは食べてもまずいので煮て柴犬のエサにするという。北見人はこの水系の川魚はとある理由から一般に食べない。彼は子供の頃からこの川でオショロコマを釣って遊んでいるそうで、私よりは遙かに先輩だ。彼は釣り針ケースを北見の家に忘れ、仕掛けに付いていた唯一の釣り針を木にひっかけて失い、泣く泣く戻ってきたという。それは残念でしたね。私はオショロコマを殺す人間は心底大嫌いだ。釣り針は沢山持っていたがオショロコマのことを考えて、あえて彼には釣り針をあげずに別れた。
その後しばらく下ってM川本流のニジマスポイントでニジマス釣り楽しんだ。前述の理由でこの川のニジマスは持ち帰る人が少なく、そのためニジマスはなかなかこの川から消えない。夕刻、車のキーを落としたことに気づいた。幸いスペアキーがあったので事なきを得たが、おじいちゃんに釣り針をあげなかった報いだろうか。
この日は夕食に北見市内の、本命ではない方の回転寿司にいったが予想どおりまずかった。おまけにアジの生寿司の骨が喉頭蓋に刺さり血腫ができてひどく痛い。この回転寿司屋にはもういかない。これもおじいちゃんに釣り針をあげなかった報いだろうか。
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