官僚批判を批判する

 官僚や公務員が 既得権益を手放そうといしない国益を損ねる元凶であるかのようによく言われるが 果たして本当にそうだろうか。

 政治家やマスコミが政治や政策を論じる時、その根拠に官僚批判が語られる事がよくある。

  日本の政治や行政は組織や人事的に官僚のトップを政治家である大臣が位置しており、王政が実質的に政治を官僚に委任しているような国家体制はとっていない。

  現体制下では 政治家が官僚や公務員を批判するのは、上役が部下の悪口を言っているに等しく 己の責任を放棄し 部下に転嫁しているに等しい。

  官僚批判のキャンペーン的な手法は 権力支配のバックから出て来たものか、権力の座に座る政府や与党の要人から発せられたものか、あるいは 前両者の要請でマスコミが仕立てたものか  いずれその当たりに因を発しているに違いない。

  この国の伝統的とも言える中央集権体制の強さや、現場における上意下達の不条理の経験から、下達の立場にある市民目線の批判は当然だが、上意に位置する立場からの官僚批判には違和感以上のものを感じる。 

  

 

       

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