午後の某駅で、おじいさんから「○○行きますか?」と聞かれたので、私は「はい、行きますよ」と答えた。
某駅を出てから二つ目の○○停に到着… 3名の乗客が待っていた。降車ブザーは鳴っていなかったが「ご乗車ありがとう~」と言いながら、私は前(乗る)と中(降りる)の両扉を開けた。
3名の乗車時精算を終えて、ミラーで中扉の方を見たが… おじいさんの姿はなかった。私は「もう降りたのかな? それとも“尋ねたバス停の方面”という、よくあるパターンなのかな?」と思って発車した。
しかし… 次のバス停でも、その次のバス停でも… 降りる人はいたのだが、おじいさんの姿は見られなかった。私は「やはり○○停で降りて、たまたまミラーの死角にいたのだろう」と思った。
それから約30分後、終点の某住宅地に到着… すると、背後席の後ろから見覚えのあるおじいさんが現れた。私は「あっちゃ~」と思った。
おじいさんは「△△停(○○停の二つ後)で乗り過ごしたって気付いたんだけど、そのまま乗って来ちゃったよ。ハハハ… ここから○○へ行くバスはあるかねぇ?」と言った。私は「え~っと… 次は… 30分くらい後に私のバスが○○の方へ行きます」と答えた。
おじいさんは「あぁ、ありがとう」と言ってバスを降りたので、私は「すいません、お待ち下さい」と言って、おじいさんがバス乗り場のベンチに腰掛けるのを確認した。
約30分後、そのバス乗り場には誰もいなかった。私は「おじいさんがベンチに腰掛けた時、隣りにおばあさんが座っていたから… 別ルート(乗り換え)を教えてもらって行っちゃったのかな? あるいは、近くの喫茶店でゆっくりしてから帰るのかな? まさか、そのおばあさんと… おいおい! アホなこと考えてないで発車、発車!」と、私の妄想は休むことを知らないのであった…